天国からの、贈り物

私はコタツやストーブをほとんど使いません

もったいないなって思うし、寒いのはけっこう好きなので
ですが、服は夏物冬物それぞれ入れ替えるので
押入れをｶﾞｻｺﾞｿあさっていたら
一つの箱を見つけました


水色のキャンパスノートばかり入った箱

めくってみると、それは日記でした


（亡くなった彼の日記だ）とわかった私は
人の日記だし、見たらいけないんだけど・・・でも、見たいという葛藤にかられ
それでも我慢して封印

とはいかず、ﾜｸﾜｸしながら読むことに




一部を抜粋しますね


（10月15日）
今日はお弁当のおかずが手作りばかりだった
冷凍食品が入ってないのは、成長した証拠だ
今度は魚のさばき方を教えてみよう
きっと、何回もやればできるようになる！



（10月16日）
夕食が秋刀魚だった
ただ、懸命にさばいたようで
開かれた焼き秋刀魚を食べたのは人生初だ
秋刀魚は開いたりしないって、教えるべきか？否か？


（10月17日）
帰ったら圭子がｶﾝｶﾝに怒ってた
「イカがさばけない！」
そりゃ、軟骨を抜いていないからだ
軟骨を抜いて見せたら、大きな目が余計大きくなるほど
目を見開いてた
5分後、包丁を持ったまま抱きついてきた
「危なねえな！」と叱ったら
「イカがこっち見てて怖い」だと
お前、さっきはイカが切れないって怒ってたろ？
忙しいな



（10月18日）
エビのわた取りを教えた
「本には書いてないよ？」と不思議がってた
そりゃそうだ。本では
（わたをとってから）しか書いてないだろうから
「わたって何で出来てるの？」という質問に正直に答えたら
「エビは何を食べてるのかな？」
そりゃ、小さい海の生物だろう



（10月19日）
昨日のエビで、カレーを作ったようだ
とうとう魚介類に飽きてきたのか？
このままいけば、明日からは魚じゃない料理が食べられそうだ




（10月20日）
残業で3時に帰ったら
「お帰り！！！」と、得意げにさばいた鯵を見せてきた
「それ、明日食べる分？」と聞いたら
「今から焼いてあげる！！」
俺が寝られるのは何時だ？
でも、待っててくれてありがとう




（10月21日）
帰ったらｻｸの赤身を一心不乱にさばいていた
回転寿司でも開店するのか？
山盛の刺身は食べても食べてもなくならない
「お弁当、お刺身だったらどうする？」
おいおい、勘弁してくれ




（10月22日）
公園でバドミントンをした
「動かないと痩せないよ？」
余計なお世話ってくらい、あちこちに羽根を飛ばす
持参したお弁当、開けたらものすごく得意顔
「マグロ弁当です！」
やってくれたな、、、




（10月23日）
飲んで帰ってきたら
「お味噌汁飲む？」
ああ、飲むよ
出てきたのは、しじみの味噌汁
もう魚介類から離れてくれないか？



（10月24日）
ただいまと帰ったら
勢いよく階段を降りてきて、得意げにパックを見せてきた
（何があるんだ？）と聞いたら
「小女子にﾀｺさん入ってるよ」
小さいﾀｺ見つけたくらいで、
お前ってすごく幸せそうな顔するんだな



（10月25日）
しばらく魚だったから、たまには肉料理が食べたい
そう言ったら出てきたハンバーグ
よかった、ハンバーグでもなんでもいい
とりあえず魚縛りから脱却できそうだ





（10月26日）お弁当の中身、肉や野菜だった
でも、悪くて食べられなかった
今朝お前の弁当の中身、全部魚だった
あれは、俺が食べたくないっていったから
全部自分で食べようとしたんだろうな
悪かった
食べ物に文句いったらいけないって言ったのは俺だったな
反省した







どうやら、当時の私はむきになって
毎日魚を出したようです


うっすら覚えてます




でも、読んでると懐かしくて
涙が出てくるので
続きはまた今度