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柔らかい肌

2010年11月02日 07:45

今日はこんなのはいかがですか。

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  ●私の手だけを握り締めた

  人は記憶を、さまざまな物から得ると言う。
  匂いや形、そして触感…。

  ペルシャ猫の毛並みを撫ぜていると、そのふわっとした感触に、頬ずりしたくなる。

  ぬいぐるみでもそうだ。
  ずっと抱きしめて、撫でていたい。

  つるつるとした、陶器触感
 薄い茶碗と厚い茶碗では、その触り心地は、全然違うのだ。

  鉛筆、口紅、ボールペン…。
  すべてに触り心地があり、すべてが違う。

  半年前から付き合い始めた隆の触り心地だって、
  この手のひらの中にある、触感だ。
  彼は、知り合いの数人の友達と飲んでいる時、
  美加の知り合いとして、現れた。

  「私が知っている人が、この近くで働いているのよ」

  美加の電話の15分後に、彼は現れた。
  すぐに話の輪に加わった彼は、初対面だと言うのに、
  すぐにみんなと打ち解けて、にこにこして…。

  帰り際、
 「楽しかったですよ、ありがとう」
 ホームでなぜか私の手だけを握り締めた彼の手の温かさが、
 まだ記憶に残るうち、彼はすぐにお誘いのメールをくれた。

  その着信音が、なぜか耳に残っている…。

  ●彼の指が私の体中を…

 「やわらかい肌…この触り心地がたまらない…」

  恋人になった彼は、私をぎゅっと抱きながら、
  私の肌を、彼のその男性の手で撫でながら、そう囁く。

  いつまでもいつまでも、彼の記憶の中に、
  私というやわらかい肌の感触が、刻み込まれて欲しい…。

  女の体の凸と凹の部分の、どこもを彼の指がなぞる。
  その彼の指の動きで、私はうめき、喘ぎ、のけぞり…
  そして髪を乱して、ひたすら彼と一体になることを求め、
  究極の高みへと、愉悦が登りつめていくのだ…。

  彼が言った事がある。

  「あなたの甘い香りのするこの肌が、僕に焼きついていて、逢わない時だって、いつもあなたを思い出させる…」 

  ベリーの甘い香りに包まれて、お風呂で自分の肌をマッサージするとき、彼に愛されるこの我と我が身が、つくづくいとおしく感じる。

  私は今夜も、ベリーの香りに包まれ肌を揉む。

  次も彼に優しく抱かれるために…。

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