井口さん2-ほぐされる

(やがみさん　ひどいっ)

井口さんが言うのもわかる・・・

ここまで来るのに

どれだけ勇気がいることか・・・

わたしだって躊躇すると思う・・・

でもね・・・

とても気持ちよくなれるよ・・・

だって約束守ったんだし・・・

それに　今日の主人・・・

なんかいつもより・・・

うまくいえないけど・・・


すごい・・・


『気持ちよくなってるとこ悪いけど』

「うん・・・」

『続きは夜にたっぷりと』

「夜に・・・？」

『とりあえず井口さんとの約束』

「そうだね・・・」



半泣きの井口さんに

主人が手招きをする

『約束通りに』

そう言ってキスをする

そして髪を撫でる

(あふっ)

井口さん・・・

もう出来上がってるんだ・・・

本当に主人の波長に合う人・・・

腿から何か滴り落ちてる・・・

『改めて確認しますね』

(あ、はい？)

『あなたの愛する人は？』

(愛するって？)

『誰のために気持ちよくなりたい？』

(誰って？)

『あなた自身のため？　それともご主人のため？』

(えっと？)

『わかりませんか？』

(えっと？)

『まあ　わからなくなってますよね』

(えっと、あっ)

主人の指が井口さんのあそこに・・・

くちゅくちゅ音がなる・・・

『この音は誰のために？』

(あん、それは)

『誰の指を楽しませるため？』

(はあっ、ああん)

『あなたの体は誰のもの？』

なんか　洗脳始めてない・・・？

(わたしは　やがみさんの)

主人が井口さんの口をふさぐ

『それは勘違い』

(えっ)

『今一度問います　あなたは誰のもの？』

(わたしは、あふっ)

『乱れる姿はあなたの本性』

(あん、そこっ)

『誰のために乱れたいか

本当は誰にその姿を見せたいか

それがあなたの本望』

まじめな言葉とはまったく関係なく

主人の手と舌は井口さんを乱していく・・・

この人の世界　全開だ・・・

(わたしは、あんっ)

主人の顔が井口さんのあそこに

(あっ、いいっ、気持ちいい)

主人からタオルを渡される

あ、そういうこと・・・

なんかわかっちゃう自分が怖い

井口さんに目隠しをする

(えっ、なに？)

『あなたは誰に抱かれてる？』

(えっと、)

あ、なんか井口さんも理解したみたい

ただ　主人に言わせれば詭弁だそうだけど

誰を思って抱かれようと

別な人に抱かれてる事実は事実

だけど人には思い込みと言い訳って特技があるって

それ　特技なの？って思うけど

確かに言いえてる気もする

丹念に井口さんの体を隅から隅まで舐め上げる

(あはっ、そこっ、いい)

主人の指と舌にいいように翻弄される

わたしもあんな感じなんだろうな

(あっ、そこはっ)

主人の指が井口さんのお尻の穴に・・・

(あ、ついに)

『待ってました？』

(はい)

『さすがにここは頼めませんものね』

(そうですね)

『いずれ機会はあるかも』

(そうですか？)

『とりあえず今日は慣らしですので』

(ならしですか？)

『より感じるために　じっくり時間をかけて』

井口さんのお尻に

主人の指が一本・・・

そしてゆっくりとほぐしていく・・・

(なんか変な感じ)

『違和感感じるでしょ』

(なんか、これって)

『気持ちよくはないでしょ』

(はい、なんか期待はずれ)

『ここは焦っちゃいけませんよ』

そう言いながら・・・

井口さん・・・

自分の顔見たらどう思うだろ・・・

恍惚っていうのかな

わたしも最近わかった

どんな顔してるのか・・・

(あふ　　)

来た・・・

(なんか、変な)

井口さんの手がシーツをつかむ・・・

体中に波が広がっていく感じ・・・

今　そんな感覚を感じてるはず・・・

(あ、な、なんか　)

唇がひくひく震えてる・・・

(あ、き、気持ちいい)

腰が上下に揺れる・・・

(あっ　　)

井口さんの動きが止まる・・・

(いやだ、わたし)

『やっちゃいましたね』

(ごめんなさい)

ほんと・・・

この人　わたしと同じだ・・・

漏らしちゃった・・・

『お尻はここまでで』

(はい)

『後は次回ですね』

(はい)

『じゃ　普通に戻します』



そして普通に・・・

違うでしょ・・・

寸止めで生殺しって

普通って言わない・・・

(はっ　お願いです、いかせて)

『誰にいかせて欲しいのかな？』

(はっ、そ、それは)

『わたしは誰？』

(お願い、いかせて、あなた)


井口さんの頭の中では

主人は井口さんの旦那さんに

無理やりだけど置き換えさせられて・・・



(ご主人の言いたい事って)

『はい？』

(わたしはあくまで主人のものってことなんですよね)

『そうですよ、ご主人を裏切ってる事実は変わりませんけど

なんかの台詞で

誰に抱かれても気持ちはあなたのそばに

自分勝手な言い訳ですけどね

これが根っこにあるかどうかで

大きな違いが出てきますから』

(そうなんですか)

『今の生活も守りたい

でも　こういうこともしたい

相反することを同時に保つには

どっかで接点を持たせなきゃいけませんから』

(接点ですか)

『言い訳ってのは自分勝手な自己防衛手段ですけど

それで救われるなら嘘も詭弁となります』

(そういうもんですか)

『なるべくならご主人だけで満足するのが一番です』

なんか　まともなこと言ってる・・・

ただ　あとでわかったんだけど

この言葉　わたしに言い聞かせてたみたい

下山さんとかとは

次元の違う人たちの存在があったみたい

『なんとなく予感はしてたんだよね

悪魔が降臨すりゃ仲間も寄ってくるって』



その意味を知ったのはかなり後だった

次回のログで

多分　2週間くらい更新はなくなります

入院して手術になります