- 名前
- 絵梨菜
- 性別
- ♀
- 年齢
- 54歳
- 住所
- 京都
- 自己紹介
- 特になし
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過去への旅(母への手紙)
2009年03月22日 00:48
おかあちゃん。
今年も、貴女の好きだった桜の季節がやってきました。
甘えん坊の私は、未だに貴女から離れられそうにありません。
実家が人手に渡り、庭の桜の木もなくなりました。
伐採されたものだとばかり思っていたのだけど、お兄ィに確認したら、「植木屋さんが、別の場所に植え替えたと言ってた。」とのこと。
老木だったんで、ちゃんと根付いているか心配だけど、
きっと、今年も誰かの心を和ませているのでしょう。
おかあちゃん。
桜の花の下で泣いていたね。
満開に咲いた花は、小さな貴女の肩にピンク色の模様を描いていたっけ。
「綺麗やねぇ。」
「誰に見て欲しくて咲いてると思う?」
「ちゃんと、季節を知っているんやね。」
「えりちゃん。写真撮ろうか。ここで一緒に。」
桜の下で一緒に写真を撮ったよね。
お兄ィとゆきちゃんと私と。四人で。
ゆきちゃん。写真嫌がってたけど。
おかあちゃんのパワーで、なんとか笑顔を作ってくれたね。
あの時の写真が、ゆきちゃんの遺影になった。
そして。貴女の遺影にも。。。
おかあちゃん。
私は、貴女の望むような女性には成れなかった。
「ダンナを愛し、子供を育み、家庭を大事にしなさい。」
貴女の教えは殆ど守れていない。
いつまでも心配かけている親不孝娘やね。
おかあちゃん。
私。
お父ちゃん探しの旅をしている。
アノ人のこと。認めたわけではないし。
やっぱ、今でも嫌いやけど。
アノ人のこと、知りたいと思った。
北白川の伯父さんや学生時代のお友達に色々聞いたよ。
けど。。。
アノ人の心には未だ辿りつけていないんだ。
おかあちゃん。
私。
ヒナさんに会いに行こうかと思う。
お店はもうないけど、お家の住所は変わってないみたい。
お父ちゃんの本当のことを知りたいのなら、結局。
この人のところへ行くしかないのか。って思うんや。
けど。。。
正直。迷ってる。
10年も音信不通やったし。
お金は送っていたけど。
私。彼女に会ったことないしね。
それに。
お父ちゃんと同じくらいやとすると、もう70そこそこ。
今更。過去を生し返すようなことをして、彼女を苦しめたくはないしね。
そう思ってる反面。
「私の大事な人を全て奪っておいて、自分は平然と生きているの?」
「幸せであって欲しくはない」
心のどこかで思っている。
詫びを入れてほしいとは思わないけどね。
こんな気持ちで会いにいくのはよくないんじゃないかと。。。
伯父さんは、「一度、会いに行ってくるのもええかも知れんよ。」
と言ってくれたけど。
今更、会ってどうなるってものでもないのにね。
会わなければ先へは進めないことも確かなこと。
知らなくてよいことは、追求しないほうがいい。
それも確かなこと。。。
迷ってるんだ。
どうしたらいいやろ?
おかあちゃん。
貴女ならどうする?
貴女なら。。。。
何も言わずに笑って耐えているのでしょうね。
全てを許して笑っているのでしょうね。
私は貴女には、なれない。
おかあちゃん。
けどな。
私。
生まれ変わってもお父ちゃんとおかあちゃんの子供になりたい。
お兄ィとゆきちゃんと。
5人でまた一緒に暮らしたい。
失敗だらけの家族やったけど。。
今度は、失敗せんように。。。
5人で笑って暮らしたい。
おかあちゃん。
今年も、一緒に花見に行きましょうね。
甘えん坊の私は、未だに貴女から離れられそうにありません。
このウラログへのコメント
> hayatoさん
はじめの一歩は踏み出せたたけど。
次の一歩で迷っています。^^;
> カニさん
世界を彩る為に咲く。
人もそうありたいですね。
私も春に咲く花でありたいと思います。
> rousillonさん
モシカシテ...
幼い頃、母と眺めた桜。rousillonさんも同じ桜を見ているかも知れない。
> ゆきおさん
ありがとう。
誰かに、背中を押して欲しかったのかも知れません。
でも正直、まだ。迷っています。
> こうもりさん
誰かを傷つけてまで求めることなのか。
それほど、重要なことなのか。。。
迷っているのは、人生をリセット出来ない年齢になったからでしょうか。
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