放浪ゲーム5-日々

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わたしは昼間　

運送屋にバイトをしていた

結衣との待ち合わせの時は

6時くらいにバイトが終わると

飯田橋駅まで歩く

そして市谷駅でホームに降りる

そこで結衣のバイトが終わるのを待った

そして２人して　

新宿に飲みにいく

そして　歩いてわたしのアパートまで30分ほど歩く

わたしも寝るためにしか使ってなかったため

ゴミ箱のようなアパートで二人は寝た

薄い壁のため　声が筒抜けになる

時折　隣の部屋や　上の部屋から声が聞こえる

その度　わたしらはその音に便乗した

それでも結衣は　声を殺してする

声を殺す必要があるのか聞いたことがあった

「人目を盗んでしてるみたいで興奮するじゃない」

その答えに納得もした

一度　野外でしたことがあった

結衣と出会う前のことだったが

遠くに人影が見えるたびに緊張した記憶があった

そういう意味じゃ　ここは野外に近い気がした

窓の外は通路で通行人の足音が聞こえる

声が出てれば　通行人は立ち止まるだろう

そして　部屋はゴミの山

確かに　どこかのゴミ捨て場で

やってるみたいなものだった

わたしの部屋には風呂はない

近くに銭湯はあったが　11時には終わる

結衣は　タオルで体を拭いてすました

「江戸時代とかって　普段はこうやってたのよ」

嘘のような本当のような言葉だが

確かに　江戸時代にも風呂はあったのだろうが

時代劇などみるとあまり庶民が

風呂にいくってのは聞かない

行水ってのも　案外そういうとこからくるのだろう

そう妙に納得もしていた

もっとも　結衣が真夜中に外にある水道を

シャワー替わりに使ったときは　

誰か来やしないかと

さすがにハラハラしたものだった