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タイトル: 放浪ゲーム2-発端

2009年02月23日 08:01

タイトル: 放浪ゲーム2-発端

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梅雨も終わった頃だった

わたしは友人と行きつけのスナックに行った

行きつけといえば聞こえはいいが

つまりはツケが利く店だった

すでに6万のツケがあった

返すあてなどなかった

それで何故飲みに行くか?

好きだからとしか言いようがなかった

その店のママは40は過ぎていて綺麗ではあったが

ママ目当てというわけではなかった

以前そこの店の子に手を出したことがあったが

それは闇に葬った

そうしなければならない理由があった

後から、その子の素性を聞いて、さすがのわたしも焦った

ママの姪っ子だったが

それくらいならわたしも焦りはしない

問題は彼女の歳だった

14歳......

彼女と友人に口止めをし、闇に葬った

それ以来 友人の松山はわたしにやたらたかってくる

しかしわたしも松山秘密を握り返して五分五分にはしていた

そういう均衡を保ちながらよくここに来ていた

結衣も時々見かける常連に過ぎなかった

軽く挨拶を交わし、話題が合ったら話しに加わる

その程度の関係だった

その日も松山が結衣のそばに座ろうと言うから

隣に座っただけだった

関係ないが松山は中々こずるくいつもわたしに先陣を切らせる

ナンパでも、飲み屋に入るとかいつもそうだった

松山トイレにたった

何気なく結衣を見たら偶然目があってしまった

「毎度」

「どうも」

「よく逢うやね」

「そうですね」

結衣のグラスが空だったのでブランディーを注ぐ

「あ、いいの?」

お口にあえば」

「いただきます、実は今悩んでたの」

「何を?」

ボトル入れようかどうか、実はね」

実はとか、あのねとか言われたら聞きたくなるもんである

「ツケが8万あるのよ」

普通なら『げっ』とかいうとこなのだろうが

「奇遇やね、うちは6万ツケてる、しかも払えるあてなし」

「あはは、おんなじだ」

ママのいる前でとんでもない会話であった

ドアが開いて賑やかな客が入ってきた

やはり常連で競馬好きな安さんというおっさんだった

札束を手にもってるところから競馬に勝ったらしい

「おおお ママ 今日も綺麗だねえ、1万やっからキスしよう」

普通なら怒りそうなとこだが、安さんの手から1万 ひったくると

ママは安さんに濃厚なキスをした

ここがこのママの怖いところだな、そう思った

満足そうな安さんはわたし達を見た

「お、こんなとこにカップルがいるじゃないか」

いつの間にかカップルにされてるらしい

まあ、わたしも結衣も否定はしなかったが

「よし、おまえら10万づつやる、やってみせろ」

わたしと結衣は顔を見合わせた

普通なら冗談じゃないとくるところだが

わたし等の会話は違った

「10万だって」

「ツケ払えるね」

「うむ、けどいいん?」

「うーん、嫌いなタイプじゃないし」

「そりゃ、どうも」

「あなたはいいの?」

「悩むとこやが、金もらえてやれるのは魅力てきだね」

「じゃ、しよっか」

「ただ、ママが許すかね」

そういってわたし等はママを見た

........いない

ドアが開きママが入ってきた

鍵を閉めた

「やれってことらしいな」

「そうね」

そこへトイレから松山が戻ってきた

妙な空気を感じ取ったらしい

「どうしたん?」

わたしは松山に言った

「いいか、何が始まっても、なんも言うな」

「なんだそりゃ?」

「いいから何も言うな」

「おう?」

わけがわからないという松山

わたしと結衣はボックスの方へ移動した

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