- 名前
- nomiya8
- 性別
- ♂
- 年齢
- 80歳
- 住所
- 埼玉
- 自己紹介
- 気持も若い積りだし、身体もそうだと思ってましたが先日忘年会でボーリングをした時、運動...
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初体験-そして再会の成り行き-7
2008年06月03日 19:54
電話の呼び出し音が鳴り始めた。
一度目、やっぱり切ろうかな!迷った。
二度目、もし旦那が出たら、上手く言えるだろうか。
三度目、もしこれで出なかったら止めよう。
「もしもし、Sですけれど」
彼女の声だった。
「この前はわざわざ来たくれて有難う・・・何か懐かしいね」
「ええ、私も。Mちゃんは今何しているの」
「会社だけど、そろそろ帰ろうとしているところ。この間会った時、一寸会ってみたいなって思って電話したんだけど」
「私も会いたいわ」
「じゃ今度会おうよ」
「私今日は休みなんだけど、今Kと言う会社で事務員として働いているのよ。朝9時から夕方5時まで居るから、今度そっちに電話して。
明日からは普通に出ているから」
と言って彼女は勤め先の電話番号を告げた。
彼女には悪かった様な気もするが、今は元気そうだし幸せそうだからこれで良かったんだよな、でも今まで既婚者との付き合いはした事がないし、無論自分は結婚後も色々な女性との関係は持ってはいたが。
今度は自分だけじゃなくて相手にそうさせる訳だから、相手の旦那に対しての罪悪感があった。
しかも旦那とは一度だけど顔を合わしているのだ。
もし自分がその立場だったら絶対に嫌だ。
でも彼女は二つ返事で承諾したと言う事は、そんなには満たされていないのだろうか。
私の心には会いたい事と、それによる罪悪感とが葛藤していた。
彼女に電話する時にも似たようなものがあったのではないか、
表向きはお礼とか考えていたが、彼女の対応によっては会おうと思っていたし、会えばそうなる事も疑う余地もない。
だから電話する事自体、旦那を裏切ろうとしている第一歩ではないか。
心の中はそうであろうと今なら誰も傷付けずに引き返せるのだが。
そんな事を考えながら会社で目の前の電話を何度も見つめていた。
数日あれこれと考えたが、自分のあいたい事を優先してしまった。
そう彼女が思うと言うことは、旦那にも責任があるのだからと自分の都合の良い言い訳を考えた。
そう思ったとたん私は受話器を手にしていた。
ダイアルして相手が出るまで全然何も考えなかったと言えば嘘になる。多少迷いはあったものの踏み出してしまった。
「もしもしK社ですが」
間違いない彼女の声だった。
「Mですけれど」
「Mちゃん。私です」
「うん、ところで今日は大丈夫」
「ええ、良いわよ」
「こっちは5時半までなで、一寸待たせちゃうと思うけど」
「良いわよ、私車で通ってるから、何処か途中の駅で待っているわ」
「何処がいいのかな」
「C駅知っている」
「うん知ってるけど」
「私の会社その駅から近いのよ。その駅の一つ手前にNCと言う駅があるから、そこではどう?」
「いいよ。でもここから直ぐに行ったとしても6時位になっちゃうな」
「良いわよ。じゃその駅の北口があり、出ると直ぐにロータリーになっているから、そこで車を止めて待っているわ。車は白のCだけど解る?」
「うん、大体解るよ」
「じゃ待ってるわ」
と言って電話を切り、直ぐに隣の部署へ行き、その方面から通勤している人に会社からNC駅までの所要時間を確認した。
私は5時半になると直ぐに飛び出し、エレベーターの前に行った。
そこには数人エレベーターを待っているスタッフが居て
「Mさん、今日は随分早いですね」
と話しかけてきた。
そう確かに何時もは早くても6時位に会社を出るし、その時は大体マージャンか飲みに行く時だ。
社内でもたもたしてると直ぐに上司からマージャンの誘いが来る。
だから仲間に合わない様にして急いで出てきた。
「うん、一寸野暮用でね」
私の気持ちは競っていたが、仕方ないんだよと言う様な顔付きでエレベーターから降りた。
永年その会社に勤めていて、会社からそう遠くはないその駅もその方面へも一度も来た事はなく、急いでいる私は電車を間違わない様にと多少緊張した。
電車に乗ってからも時計を見ながら、後何駅かとか気を揉みながらも、彼女に会ったら何を話そうとか、まとまりのない事を考えていた。
初めて下車した駅、夜だから太陽は出ていないので、今来た方角から北口を確かめて駅の階段を下った。
彼女の言っていたロータリーが目に入った。
そのロータリーの中程に車種は定かではないが白の車があり、私は中の人物を確認しよう少し近付くと運転席側のドアーが開き彼女が降り立って手を振った。
私がその車の助手席に向かうと彼女も来て
「ここからはMちゃん運転して。とりあえず国道XX号までは私が道を教えるから」
次章へ続く
このウラログへのコメント
((o(^-^)o))ワクワク、気になるわぁ~
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