その日､ずっと遅い出勤｡えっ､おんな?

その日は､午前中に商談｡C葉を延々､都心を通り越して､都下へはるばると｡朝､会社に寄って､朝礼に出てからでも間に合わないことはないんだけど｡結局､会社行くとなんのかんの手間取って､そのうち慌てて出るようになっちゃうし｡それでなくても､営業は残業手当てつかなくなって久しくて｡自己管理で､逆にﾓﾀﾓﾀしていたら､年がら年中残業にって訳｡で､しっかり自己管理､ﾉﾝﾋﾞﾘ出勤｡会社との必要な連絡は電話で済ませられるしね｡当時､もうPHSは持っていたから｡
通勤時間帯も終わってﾏﾊﾞﾗな人影｡田舎の駅のﾎｰﾑで｡本数のない田舎の電車を待つ｡信じられる?なにしろ単線… のｰんびりっ と､間近の柱の陰… おんな?? まさかあのお化け!? おんなだよ!! だって､いつもより2時間も遅い電車｡信じられない… まさか? まさかだよ｡だって… まあ､こう言う偶然もあるんだよ｡あｰあっ､朝から､最悪｡こんな近くに｡ﾎｰﾑの反対端まで｡早足｡でも､来るよ｡絶対｡電車が入線してくる｡ﾄﾞｱが開いて乗り込む｡来たよ!開いた瞬間に隣のﾄﾞｱからおんな｡乗り込んで､こちらに｡本当､ざけんな!絶対!!すれちがうように｡怒りがｱﾚﾙｷﾞｰを乗り越え｡睨みつける…