今朝の彼女は耳朶が素敵

そ～っと触れて見る　寝たふりしてる？くすぐったいはずだから・・・寝てるね
耳朶から指を離す　代わりに髪に触れると　柔らかい香りが鼻腔をくすぐる

春先の花みたいな匂い　君のシャンプーかな　運転席に戻ってシートベルトを締める
バックミラーに映る自分の顔は思っていたより赤かった「ごめん」

つぶやきながら　そっとハンドルを握る　でも出発できない　まだエンジンもかけてない
横目で君を見る　本当に寝てるんだよね？　信号待ちで停まっていたら

隣から小さな寝息が聞こえてきた　規則正しいリズム　安心しきった子猫みたいに
もう一度手を伸ばしてみる　今度は頬に触れた　すべすべの肌　ほんのり温かい

「・・・起きてるの？」声がかすれる　返事はない
じゃあちょっとだけ　僕は慎重に体を傾け　ゆっくりと唇を近づける

あなたに素敵な時間が訪れますように