今日の1冊その33

子ガモ一羽の体重はアスパラガス一本と同じぐらい。

こんばんは。玉こんにゃくです。

「ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹」ジェフリー・ユージェニデス

「ぼくら」の心をつかんで決して離すことのなかったリズボン家の五人姉妹が次々とこの世を去っていったのはヘビトンボの季節だった。
彼女たちはなぜ死を選んだのか。なぜヘビトンボの季節だったのか―。パズルのピースが見つからないまま、「ぼくら」の「少年」という季節も終わる。

実に27年ぶりに再読した作品。
終始陰鬱な雰囲気におおわれながらも、ところどころにカラフルで甘くポップなものが描かれるのは、アメリカの小説ならでは。後にソフィア・コッポラ監督によって映画化されたときも、当時のソニプラ感満載だったもんなぁ(プラザじゃなくてソニプラね)。
仏教じゃなくて無条件にキリスト教にあこがれてもいたっけ。

ラックスにあれだけベタ惚れだったのに突如うんざりしたトリップがまったく理解できなかったが、それは今も同じ。男の人あるあるなのかな。でも、トリップとハッピーエンドになったとしても、ラックスはこの世を去っていただろうね。

姉妹をはっきりと意識しながらも、しっかりほかの女の子たちのパーティーに参加する「ぼくら」が他人事っぽくて好き。

歯列矯正の器具はトイレに流したらあかんで。