遠距離が恋を熱くする？６

ある日、僕は思い切って電話をかけてみた。出てくれなかったらどうしよう、、という不安がなかったわけではないが、どうしても彼女と話したいという気持ちのほうがはるかに強かった。

「もしもし？〇〇くん？電話くれてうれしい！」
最初の言葉がまさかの一言で、僕は有頂天になった。
そしてわざともう一回聞き直した。
「え？何て言ったの？」
「電話くれてうれしい、っていったんだよ。実はね、ちょっと待ってたんだ、電話くれるの。」
「本当？信じられない！ウソならこの夢覚めないでぇ～っ！！」
「〇〇くんっておもしろいね！」
「ところで、遠距離恋愛ってしたことある？」
遠距離恋愛どころか、女の子と無縁の生活をしてきた自分、、聞くこと自体が気恥ずかしが、どうしても聞かずにはいられなかった。
「う～ん、ないよ。私、今までこの人ってほどのお付き合いしたことないから、、」
「えぇ～っ！？うそ？信じられない！だって〇〇さん、めちゃくちゃかわいいし、めちゃくちゃしっかりしてるし、、めちゃくちゃ、、あの、、その、、大好きだし、、」
「んふっ、〇〇君って素直ですっごくいいひと、、だね！」
「どういうこと？」
単なる電話なのに耳まで真っ赤にして焦りながら、でも次の言葉を期待して待った。
「見える時だけいい格好をしようとしたり、なにかの狙いがあるときだけちょっと頑張ってみたりとか、、男の人ってそういう人が多いような気がするの。自分が必要としてないときはものすごく邪険に扱ったり、疎ましがったり、、」
「へぇ～、、そうなんだ、、」
ちょっと驚きの言葉だった。なんかすごく考えてる。僕のように「反応」だけで相手をみてるんじゃな
いというのがしっかり伝わってきたからだ。そういわれてみると、あのビーチやホテルでの彼女のとった行動とそれ以外の女の子や僕と一緒にいた男友達との行動は、一線を画すものだった。
僕は気になって彼女に聞いてみた。
「僕はどうなのかな、、？」
めちゃくちゃビビりながら彼女の言葉を待った、、。