弱くたっていいじゃない

夕暮れ時の海が好きです。
静かな音を奏で、寄せては返す波の模様。
沈んでいく夕陽を照り返して、キラキラと輝く水面。
やがて空の色が移り変わり、夜に包まれます。

様々な悩みや苦しみ。
そんなことはお構いなしに、この星はくるくると回り続けるわけです。
その雄大さを前にすると、自分はひとつの小さな存在にしか過ぎないと感じるようになり、肩の力が抜けて気持ちが変わります。
すぐにどうこう…ではありませんが、ちょっとだけ前向きになれるのです。

もちろん、これはひとつの例です。
なんでもかんでも地球のサイクルが救ってくれたら苦労はしません。
たとえば人間関係に悩んでいたとして、仲良くなるまでとことん向き合わなくても、無視するのもまたひとつの解決です。
関わり合いになるのを止める選択をしたわけですから、何もせずに自分の思い通りになるのを待っているのとは違います。
本当は理解し合えるまでぶつかるのがいいのかもしれませんが、人はいつでも強くあることはできません。
大事なのは円満な解決をする手腕ではなくて、悩み事に直面したときに自分がどうするかを決める意志だと思うのです。

心を洗うという表現が僕は好きです。
細波に耳を傾けて、気持ちを落ち着かせる。
悩みとは自分との対面なんでしょうね。