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ネットの話…心の交流30年

2014年12月21日 23:44

春日井市にお住まいの森世昶(としあき)さん(75)は、産業機械の技術指導の仕事をしておられた。 30年近く前のこと。
韓国から一人の青年が、森さんの会社に短期ん技術研修にやって来た。
日本語が話せないのできっと寂しくしていると思い、休日に宿泊先の旅館を訪ねると、ロビーで一人ぽつんと座っていた。
青年に同行していた通訳の人と一緒に県内の名所を案内して歩いた。
森さんの奥さんキムチ差し入れると、1口食べて生き返ったような表情になった。
それから数年後、突然、青年から電話があった。
通訳を通して言うには、「勤めを辞めて独立するため、金型業について教えてほしい」という内容だった。
開業についての注意点のはか、韓国では、ちょうどソウルオリンピック景気に沸いていたときだったので、その波が終った後のことも念頭に置くようにとアドバイスした。
ただ、それだけの会話だったが、喜んでくれたようだった。
年月が流れ、2年前のことだ。正月明けに青年から電話があった。
たどたどしい日本語で「2月17日夫婦で森さんのお見舞いに行きます」と言う。
大病して手術をしたと手紙に書いた年賀状を見てのことだと思われた。
観光のついでだと思い、「どこを見たいの」と尋ねると、「森さんのお見舞いのためだけに行くのです」と言う。胸が熱くなった。
もてなしをしたいと思ったが、退院後間もなくて体力に自信がなかった。
そこで学生時代の友人に助けを借りて、京都奈良を4人で巡った。
そして4日後に帰国。翌日からは何ヶ月もの間、毎晩のように感謝の電話があったという。
森さんはおっしゃる。
「ほんの少し、気にとめただけなのに。それも30年も前のことなのです」
よほど異国の地でかけてもらった一言が、忘れられなかったのだろう。
心は国も言葉をも超えるのだなあと、この8月に思った。

このデジログへのコメント

  • SYUZO- 2014年12月22日 07:41

    そういう気の使い方
    他国では珍しいのかも

    日本でもなかなかできてる人は
    少なくなったかな

  • なな♪ 2014年12月23日 23:49

    SYUZO-さん:そうですね。私もまだまだだな

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