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趣味は読書、「太陽の季節」の中の
2014年08月28日 07:44
三編目、「処刑の部屋」を読む。
僕はは、十代の終わりから、二十代のかなりの時期まで、大藪春彦に夢中になっていた。「野獣死すべし」は何度も読み返した。
大藪春彦は昭和十年生まれ。石原慎太郎は昭和七年生まれ。大藪より、三歳年長だ。
この「処刑の部屋」は、大藪の一連の作品を髣髴させる。この時代に、ハードボイルド風の作品を、書いていたのは、意外だった。今の時点では、この短編集中、一番面白く読んだ。
別に、僕が暴力的人間というわけではない。
大藪作品と違うのは、主人公の心理、思考が描写されていること。大藪作品では、その思考が行動描写によって表される。それと、クライマックスでは、痛めつけられた主人公が、反撃するところにカタルシスがあるのだが、この作品では、それは無い。
僕は、読んでいる途中、主人公は殺されてしまうのではないかと思ったくらいだ。
もう、年だから仕方ないが、石原慎太郎は政党の長などやっていないで、小説を沢山書けば良かったのに。
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