趣味は読書、薄い生活

少し前に、続けて両親の夢を見た。普段、夢自体をあまり見ないので、勝手にお盆で戻って来た、或いはお盆に墓参りに来て欲しいということだなと思っている。両親の墓は親戚の家の近くにあり、僕の今の住まいからは、少し遠い。悪いこととは分かっているが、長い間、墓参にも行っていない。心の中で侘びてはいるのだが。
毎日の生活が、何となく過ぎてしまうのは、なぜだろう。
料理はほとんどしないというか、出来ない。卵焼きくらいは作れるが、包丁を使った料理はまるで駄目。野菜の皮を剥いたり、魚を捌いたり。果物も、ナイフで皮を剥くものはもうずっと食べない。
料理はしないが、米は炊く。と言っても無洗米だが。
味噌汁はインスタント。おかずは、大抵スーパーの惣菜。
時々外食したりするが、ほとんど牛丼やチェーンの定食屋など。
晩酌ももっぱら家で、缶ビール一本か、それと缶チューハイ一本くらい。毎日ではない。外で飲むことは、ほとんどない。
掃除や片付けは苦手で、うまく出来ない。逆に、洗濯は案外好きで、夏で家にいる時など、日に三回やったりする。
当然かもしれないが、食べ物でも、自分の嫌いな食べ物は食べない。誰かと一緒に暮らしていれば、他者の好みののものも食べるかもしれないが、それもない。家事もその通りだ。誰かに、促されたり叱られたりしないから、好きなことしかしない。総じて、嫌なことはしない暮らしをしている。
この暮らしが、気楽で心地よいのだが、本当にこれで良いのかと思うのだ。
昔、少ないながらも家族がいた時は、毎日何かしら葛藤があり、精神が良い意味で、喜怒哀楽を感じていたと思う。
自分に心地よいばかりの暮らしは、一見良さそうであるが、心も体も単調で平板になってしまうようだ。
本を読んだり、映画を見たりするばかりでは、補えないように思う。