- 名前
- エンドウ
- 性別
- ♂
- 年齢
- 40歳
- 住所
- 愛知
- 自己紹介
- 飲食店で激務の傍ら、休日は愛車と気ままなお出かけをすることが多かったのですが、最近は...
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風が吹けば思い出す・・・
2005年08月25日 18:23
台風11号が接近しています。
強い勢力を保ったまま静岡県沖を北上しているようで、その近辺や予想進路には警戒が呼びかけられています。
北北東へ毎時15kmで進んでおり、中心気圧は955hPa。中心付近の最大風速は40m/sです・・・と数字を並べられてもよくわかりませんが、要は強い勢力を持った台風が自転車並みのスピードで動いているということみたいですね。
さっさと通り過ぎればいいものの、緩慢なスピードで猛威を振るっていくなんて厄介な野郎です。
不謹慎な話ですが、エンドウさんは台風が好きです。
叩きつけるような雨音や暴風にしなる木々を見ると、どきどきしてしまいます。
台風の脅威を、身をもって味わっていないからこその甘い見方ですね。
しかし、視聴者になる分には台風を楽しめるのですが、いくら好きといっても風雨が荒れ狂う中に飛び出していこうとはとても思えません。
傘なんか無意味などころかゴミを増やす勢いで役に立ちませんから、全身ずぶ濡れになってしまって非常に気持ちが悪い。
また、強風に煽られて何がぶっ飛んでくるのかわかりませんので、うかつに外出するということは危険を伴う行為であるといえます。
今でこそ、台風の下に駆け出してゆこうなんて微塵も思いません。
でも、それは今だから思うこと。
あれは小学校6年生の時だったか、当時のエンドウさんは全力でガンダム少年でした。
まあ、図画工作が大好きという趣向もあってか、番組自体よりもスポンサーであるバンダイが発売しているプラモデルのほうに興味津々でした。
ガンダムのプラモデル。略してガンプラ。
画面狭しと活躍するガンダムを自分の手で組み立てて手にすることができるものですから、もうガンプラが一番!とばかりに熱中していました。
クラスの女子が淡い恋の話やおしゃれに花を咲かせている頃に、男子の心はガンプラかサッカーに夢中。運動が得意な連中がサッカー、それ以外はガンプラと、当時は見事に勢力が二分していました。
さて。
あるとき、台風の影響で小学校がお休みになったので、エンドウさんは「やったぜ」とばかりに友達の家に遊びに行きました。
そして相変わらず、ガンダムトーク。
ここにビームキャノンがついていたらどうだとか、ファンネル(脳波で遠隔操作ができるビーム砲)がどうだと言っていたら、友達が急に「サザビーが欲しい」と言い出しました。
サザビー。『逆襲のシャア』と言う作品でシャア・アズナブル大佐が搭乗した、先程のビームキャノンもファンネルもついている強いやつです。
こんなひどい天候だけど、そんなことよりもサザビーが欲しいじゃん。そんな無茶苦茶な
情熱を胸に、二人のガンダムバカは嵐の中へと身を投じていきました。
友達の家から近場の玩具屋までの道のりは徒歩30分ほどです。その距離を傘だけで慣行しようなんて、ずいぶん無茶でした。
外へ出て間もなく友達の傘がひっくり返ってしまいました。骨までやれれていたのでもう使い物になりません。一瞬、二人のバカの間にコレは引き返したほうがいいのでは?という不安がよぎりました。
しかし、二人はバカでしたから、サザビーへの思いを新たに残された傘に身を寄せ合って突き進みます。
やがて、風の猛攻に耐え切れず、エンドウさんの傘もゴミ屑になってしまいました。気休め程度とはいえ風雨から守ってくれた盾を失い、僕らは文字通り雨ざらしになりました。
それでも歩みを止めることはありませんでした。ここまで来た以上引き返せないし、何よりもサザビーが欲しい!
だけど僕らは挫けない。泣くのは嫌だ笑っちゃお、すすめ~というような次第です。
多分、エンドウさんも友達も暴風大雨の中に身を躍らせることがどれだけ無謀なことかというぐらいわかっていたんですよ。
それでも、一度高ぶってしまった欲求の前には、常識的な判断は風前の灯となってしまったんだと思います。
保育所実習で保育園に赴いたときもそうでしたが、子どもは自分のやるべきことをわかっています。しかし、やはり遊びたいという欲求が強かったりして、お片づけをしてお昼ご飯を食べなくてはということを頭では理解していても、なかなか実行できないようでした。
強行軍は無謀の末に念願のサザビーを購入することができました。
苦労したせいもあって感動はより大きなものとなって、僕らの心の内に達成感を生みました。この喜びが確かなうちにサザビーを組み上げたい、と思った僕らは行きにも勝る勢いで帰路を辿りました。
家に帰り、よし作っちゃうぞ~と雨に濡れた箱を開けたら・・・。
組み立て説明書が侵食されていてぐちゃぐちゃ。これではとても作れません。
やはり、台風の下でおもちゃを買いに行くのはバカでした。
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