- 名前
- エンドウ
- 性別
- ♂
- 年齢
- 40歳
- 住所
- 愛知
- 自己紹介
- 飲食店で激務の傍ら、休日は愛車と気ままなお出かけをすることが多かったのですが、最近は...
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BAD COMMUNICATION
2005年08月10日 20:46
バーベキューのシーズンです。
おかげ様でエンドウさんがアルバイトをしている肉屋には、焼肉用の肉をお買い求めになる客がまるでロメロ・ゾンビのように群がってきて少々厄介です。
しかし、何だってバカみたいに暑い時期にバーベキューなんてやりたがるのか、いまだにわかりません。
それはともかくとして、この時期に一番困るのはわかりにくい注文の仕方をする客が増えることなんですよ。
対面販売方式の利点は消費者が商品を吟味して必要な量を購入できるという点にあります。
しかし、その反面で製造と販売を同時進行で行わなければならないという欠点があります。
時として製造を放り出して接客しなければならない場合があり、これもまた厄介なのですが、今回の趣旨とは異なるので割愛します。
次々と客がやってくるわけですから、効率的に対処しないと捌ききれないわけです。いつまでも接客をしていては製造が追いつかなくなりますからね。
後に控える客をあまり長く待たせると「ちょっと、まだなの!?」とこちらの苦労も知らず文句つけてくるんですよ。
「それはお前の都合だ。俺は知らん!」と言うことができればどんなに楽だろうとは思いますが、悲しいことに客のほうが立場は上なので涙を飲むしかないのです。
しかし、単純に店側だけに非を被せられるのは我慢なりません。
僕らの手際も大切ですが、客の協力によって販売はより潤滑に行うことができるのですよ。
対面販売ですから、客の目の前には商品がずらりと並んでいます。ですから「これください」と指差して注文する輩がいるんですね。
そう言われても僕らはショーケースを挟んで向き合っているわけですから、「これ」が何を指しているのか確実なところがわかりません。更に「これ」だけではどれ程の分量を求めているのかわかりませんね。
「これください」
「どちらの商品ですか?」
「300g」
この時点ですでに会話が成り立っていません。頬が引きつります。
「すみません、どちらの商品をお求めですか?」
「豚肉、98円の!」
客が苛立たしげに答えます。しかし募らせている怒りはこちらのほうが上ですよ。豚肉なんていくつも種類がありますし、ほとんどの値段が100gあたり98円の設定ですので、どの商品を指しているのかわかりません。
「98円の豚肉ですと、バラの焼肉用、薄切り、肩ロースの焼肉用や薄切りなどの種類が」
「豚バラの焼肉用!」
こちらの案内を遮る怒声にてようやく何を注文したいのか判明しました。商品を渡すと客はイラついた様子で受け取りましたが、むしろこちらのほうからお伺いを立てたいぐらいですよ。
少々キレてもよろしいですか?・・・と。
このような問答は日常茶飯事といっていいぐらいの話です。
まあ、大抵は曖昧な注文をされても客の立っている位置や視線から商品を推定して確認を取る・・・というようにこちらからの理解を強めるんですけどね。話が早いから。
機嫌が悪いときは上記のように客が明確な注文をするまで、引っ張るのです。
これはもう、コミュニケーション不全のひとつですね。
自分の意思は相手に伝わって然るべきという思い込みと、はっきりと物事を伝えられていないという状況の間に生じるズレです。
何も接客業の限られた話ではなく、生活全般に対して言えることですよ。
「なんでわかってくれないの!?」と言われたことがあります。
それはあなたがちゃんと話をしてくれないからでした。
「エンドウ君のことがわからない」と言われたこともあります。
それは俺が気持ちを伝える努力を放り投げていたからでした。
人は分かり合うための努力をしなければ、お互いを知ることができません。
それは言葉や文章などによる何らかの手段を介した意思表示です。
ひとりひとり心の内に秘めていることや価値観が違うわけですから、それを表現しなければ理解にはつながりませんね。
伝えたところでストレートに通じるとは限りませんし、違った捉え方をされてしまう場合もあります。
それでも、僕らは言葉をコミュニケーションを通してしか歩み寄れない不器用な生き物なんですから、そこはちょっとがんばるところだと思いますよ。
だから、特に努力もせずに自分の言いたいことを汲み取ってもらおうとする怠惰な客連中には嫌気が差すのです。
コレちょうだい?
そんなことより、ミンチにしてやるからちょっとこっちに来なさいってなもんです。
このデジログへのコメント
販売の仕事をしたことがあるので、すごくよく分かります…
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