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オオカミ

2013年04月17日 23:18

オオカミ

オオカミって悪いイメージばっかだよね。

でも、哺乳類であれだけ愛情が強い動物っていないんじゃないかと思う。

多分、アメリカアニマルプラネットチャンネルだったと思うんだけど、カナダのオオカミの番組を見て、僕は感動しまくった。

そこのオオカミたちは、毎年、トナカイの群れの移動を予測して子作りするのだけど、あるつがいがそれに外れてしまった。まともに食べ物がない中で、子供が生まれちゃったから悲惨。

で、オスは飢えた嫁さんのために狩りに出る。いてもウサギネズミ程度の草原を何日も何日もさまよって、お腹が大きく、動けない妻に食べ物を持ち帰ろうとする。

何日かして、彼は妻のもとに帰った。再会の喜びようといったら、犬が長い間待たされた後に主人に会えたように、尻尾を激しく振り、じゃれあう。夫婦愛情の深さを感じた。

それから、(食事前の人にはごめん)彼は胃の中にある食べ物を反すうして、妻に与える。彼自身も飢えてやせ細ってるのに…

そして、また空腹のまま狩りに出る。

そうしているうちに、栄養失調で1匹、また1匹と子供が死んでしまう。夫も獲物を見つけられず、帰ってこれない。そして、ある日、なんと、妻は死んだ子供を食べ始めてしまったのだ。その画面はショックだった。

でも、それは決して自分の空腹に耐え切れなかったためではない。

生き残った子に反すうして与えるためだった。

一夫一妻のオオカミたちの凄惨な愛の姿だった。

………

でも、オオカミにとっては群れをなして暮らすのが普通だ。一匹オオカミなど本当のオオカミではない。

かなりの階級社会で、ボスのオスが絶対的な権力を持つ規律の世界。

でも、そんなボスは決して暴君ではない。

群れの中でいさかいが起こると、争っているメンバーの中に入っていって、自分の首を差し出すそうだ。

「そんな争いをするのならば、まず俺を殺してからにしろ」というメッセージ

強い者に内輪の争いの無意味さを感じさせられ、争いは収まる。

これぞ、本当の強者の姿じゃないだろうか?

………
僕の大好きラノベに「かのこん」というのがある。主人公の耕太には美人な妖狐の恋人のちずるがいるのだけど、つるぺた美少女人狼の望(のぞむ)につきまとわれ、彼女を「アイジン」として受け入れる。

そして、ちずるが大ピンチに陥った時に、望は耕太と一緒に命を賭けてちずるを救いに行く。ちずるがいなくなれば、自分が耕太の恋人になれるなんてこと考えない。自ら傷だらけになって、ちずるを助けにいく。

この場面には泣いたよ。

実は、ここにはオオカミの習性がよく出ている。オオカミは自分の仲間がピンチに陥った時には、捨て身で仲間を守るために戦う。

なぜかと言えば、望にとって、ちずるは恋敵というよりは、耕太というボスの下の群れの仲間なのだから。

それと、オオカミの雌は、一度、ある雄と交尾してしまうと、一生、他の雄とは交尾しない。だから、耕太にほれ込んだ望は他の男なんてアウト・オブ・眼中になってしまってる。それに、オオカミはもともと一夫多妻だから、望はちずるの存在なんて気にしない。

オオカミって忠誠心と貞操心の持ち主なのだ。

こんなことを知り、僕はオオカミの悪口を言う気がしなくなった。

むしろ、オオカミのようになりたいと思うようになった。

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