おっさんと討論

よく変なおっさんに話しかけられるが
今日の昼に出会ったおっさんはなんだかよく
わからないおっさんだった。

ちょうど梅田ロフトの前で昼飯を食べて
帰ろうとすると、突然白髪で長髪の男性に
時間を尋ねられた。

はっきりいってこういうおっさんが
豹変して殴ってくることも考えられるので
私は右手を握り締めて、左の腕時計を見た。
いつ殴られてもこめかみに一発お見舞いするつもりで。

んで、そのおっさんが蚊の鳴くような声で
何かを訴えている。
なんでも子供と妻の行方がわからんから
連絡してくれんかということであった。

行方がわからないなら警察へ行ったほうが
私に言うより早いですよと言うも
警察は取り合ってくれないとの事。
何かわけありなんだろう。
っていうか、電話番号しってるなら自分から
電話したらいいじゃないかと反論する私。

しかし、自分じゃ相手にしてもらえないので
赤の他人の私じゃないとだめだということだった。

なんだか変だと思った私はそこから
猛烈に反論してしまった。
妻子に避けられているのはあなたに原因があるんじゃないのか！
私は一般市民で捜査する権限もないし、
他人のいざこざに巻き込まれるのなんてまっぴらごめんである。
やましいことがないというなら妻子に正々堂々連絡を取り
過失があるなら謝罪すればいい。
などと反論したのであった。

すると、おっさんは煙たそうな顔をして
違う違うとまた蚊の死にそうな声で
訴えている。とにかく私は一般人ですから
警察か弁護士に言ったほうが解決しますと
言い切ると、おっさんはもういいよって
感じで去っていった。

あのおっさんはいったいなんだったんだろう。
もしかすると精神異常者なのかもしれない。
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