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新井・ブラゼル連発
2010年06月20日 06:02
主軸がアベック弾、横浜の反撃ムード一気にしぼむ
2010/6/19 21:19 配信毎日新聞
○阪神7-3横浜●(19日・横浜)
リーグ戦再開の祝砲には十分な一発だったろう。四回に一挙4点を奪って勝ち越した後の五回だった。阪神の新井が、横浜先発・大家のスライダーを左中間席へ9号ソロ。続くブラゼルは、カットボールを右翼席中段にたたき込んだ。これが両リーグ一番乗りの20号。新井、ブラゼルのアベック弾に横浜の反撃ムードは一気にしぼんだ。
「手応え十分で完ぺきにたたけた」と新井。「うまくバットに乗せられた。試合が空いていたので、とにかく一本ほしかった」とブラゼル。新井は徹底した外角攻めをされながら、7球目の甘いボールを逃さなかった。ブラゼルも外角低めで追い込まれた後、内角高めで体を起こされたが、5球目の真ん中低めの変化球にきっちりバットが出た。
「調子は悪くなかったが、結果が出せなかった」と大家は悔しがったが、大リーグ仕込みの投球術はこの日の2人には通じなかった。
横浜の三回の攻撃では、城島が三塁走者をけん制球で刺して流れを引き寄せた。先発の久保は3連勝で6勝目。主砲2人の活躍だけではなく、投攻守ががっちりかみ合った。
真弓監督にとってこれが節目の100勝目。貯金も今季最多タイの7となり、首位追撃態勢が整った。「いいスタートを切りたいと思っていたところで、いい試合ができた」。満足げな指揮官の視線の先には巨人の背中が見えている。【鈴木篤志】
ドカン!!ドカン!! どや、どや、どや~ッ!! 雨上がりの横浜を猛虎祭に変えた。リーグ戦再開で11安打7得点。猛打ショーの締めは4、5番の連発だった。
「大きいの、というよりは、いいタイミングで、とにかく1本打とうと思っていたよ」
ブラゼルの一撃が尾花ベイにとどめを刺した。新井の一発でリードを5点に広げた直後の五回走者なし。大家のチェンジアップを豪快にすくった。白球は右翼席上段に着弾。左翼席の虎党は狂喜乱舞だ。
両リーグを通じて20号一番乗り。3戦連発で、大台に到達した。その後、阿部(巨人)に並ばれたが、順番はB砲が先。メジャー帰りの右腕をKOしたのも、この一撃だった。
チームの勝利を優先する助っ人も興味を持つ数字があった。5月下旬、北海道遠征に向け自宅からフォッサムと車で関空に向かったときだった。
「タフィ・ローズ(当時近鉄)の四球数はどれぐらいだったのだろう」。疑問が出た。王貞治のもつ55発に並んだ2001年は83四球。その答えを聞いて「だったら、僕も次第に多くなるかも」と笑った。
ブラゼルの現在の四球数は「12」。新井の「21」に比べると少ないが、今後勝負を避けられることは覚悟の上。それはまた活躍に手応えを得ている証だ。
ブラゼルの一発を呼んだのは新井の9号ソロ。スライダーを捕らえた打球は左中間にブチこんだ。「手応え十分です。完ぺきです」と、3試合ぶりとなる放物線に声を弾ませた。チームとしては今季4度目の二者連発。右肩痛の金本のスタメン復帰はまだ先だが、この“AB”が仕事をすれば心配ご無用だ。
これで貯金は今季最多タイの7。首位・巨人とは5月12日以来となる2・5差まで詰め寄った。
それでも真弓監督は表情を引き締めた。
「ゲーム差を縮めるというよりも、何とか貯金を増やしていきたい」
効果的な一発を浴びせて、相手投手をフラフラにさせるのが今季の虎打線。持ち味を発揮させてのリーグ戦再開星だ。
「5日間、試合から離れていたから、タイミングがズレていた。うまくバットに乗せられた」
交流戦後しばらく実戦から遠ざかった影響も認めた。だが、頼れる助っ人にとってはそれも些細(ささい)なことでしかない。
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