どう思われるのか？

日本で妖怪退治で有名な武将の一人に源頼光と四天王がいます。
ピンとこない方も多いかもしれませんが、四天王の1人、坂田金時は幼名”金太郎”。
熊と相撲を取る例のあいつです。昔話の最後で都の武将の目にとまって仕官しますが、その武将が頼光です。

この頼光の話で有名なものに大江山の酒呑童子退治があります。むしろ酒呑童子の名前の方が有名なくらいだと思いますが。典型的な鬼退治ですね。

酒呑童子は生まれる時に、母親の胎内で16ヶ月を過し、生まれてすぐに歩いて言葉を話したといわれています。生まれた時はまだ人間です。

一方、皆さんご存知の聖徳太子は生まれた時に仏舎利を手にしていたそうです。

海外に目を向けると、かのお釈迦様、ガウタマ・シッダールタは生まれてすぐに天と地を指差し、「天上天下唯我独尊」と言ったそうです。
どこぞの国の王子様として生まれた時は人間でした。

イエス・キリストを産んだ聖母マリアの処女受胎もそうですね。

これらのように、事の善悪に関わらずのちに大きな事を起こす人物は、生まれた時から常人とは違う、という逸話のことを”異常生誕””貴種出生譚”などと呼んでいます。

たいていの場合、

「そんなわけあるか！？」

と思うような内容になっていますし、たぶん、こんなのは事実ではないのです。
でも、違うことが証明できない。
なにより証拠もないし確認も出来ません。


書物や建築物、道具が残っているから正しい、もしくは間違っている、という判断しか現状では出来ません。
戦国時代くらいから後は結構イロイロ残っていますが、鎌倉時代くらいまでのことは曖昧なことも多い。だから源義経がチンギス・ハーンになったりするんですが。


古来、歴史書の編纂というのは国家的な事業です。
なぜなら、自分達に都合が良いように書くからです。
歴史編纂というのは自分達の正当性を未来に発信することが目的なので、別に事実を書く必要は無いのです。

都合が悪い資料があったら？消去します。
今は無理でしょう、昔は出来たのです。

そもそも字の読み書きが出来る人間が少ないし、書物自体も少ないのだから、好きなことを書き放題。

”異常生誕”もそうです、偉業を成し遂げた人物が現れると、遡って生い立ちが書き換えられていくのです。生まれつき普通の人とは違うことにされるのです。


もっとも、未だに日本がチョンマゲ、和装で芸者に忍者だと思っているアメリカ人が居ることを考えると、現代に至っても思った程情報は行き渡っていないのかもしれませんが。

見えるところに置いてあったとしても、見ようとしなければ無いのと一緒だよね。
そして、今では情報は多すぎて、見る気を失わせているようにも思います。


私は時々思うのです。

今の文明が完全に滅んだ後に、
新たな文明が現れて、
世界を探索した時に、
かつての文明を垣間見る数少ない資料として発見された唯一の書物が、

エロ同人誌

だったら、我々はいったいどう思われるのだろうか？

別にエロ同人誌じゃなくても良いです。
DVDとか漫画でもいい。

トムとジェリーだったら？
スターウォーズだったら？
バットマンだったら？
メン・イン・ブラックだったら？
ジョジョの奇妙な冒険だったら？

思いついた好きなもの並べてますよ、もちろんw

いったいどんなイメージをもたれると思います？

作り話だと気が付いてもらえれば良いのですが、他に情報が無い想定なので、信じられてしまう可能性もあります。

勝手にイロイロ想像されて、偉そうな学者が訳知り顔で論文なんか書くわけですよ。


とりあえず、私が死ぬ時は持っている物全てを焼却処分にしておきたいと思います。



http://www.nicovideo.jp/watch/nm3147647
1985年「6年の学習」「歴史人物コンピュータボイス」より。

探してみるもんだ。ニコニコ動画すげー♪