- 名前
- 七瀬カイ
- 性別
- ♀
- 年齢
- 39歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- てんかんにアスペルガーって障害まで引っ付いて 母との離縁に乖離まで;? どっからどこ...
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氷の家
2009年04月19日 02:00
ドラマや本の中ならば壊れた家族でも、
荒れ狂った学校も ハッピーエンドがあるからいい。
現実はそう 甘くない
先が見えないまま
どこまで悪くなるのだろう・・・
私達は 誰か一人でもその命が尽きる前に
家族として笑いあえる
そんな関係を築けるだろうか?
ーー
月一の通院帰り 寮に戻る前に家に寄った。
担当の医師が寮とは正反対の都内郊外か隣県の病院でしか勤務していないので、寮からかなり時間をかけて移動を繰り返す。
役所からバスで病院に向かう道には
見慣れた町並み
野川には菜の花
この地で産まれてこの町で育った今までの記憶を辿りながら
母の背を自転車で追いかけた道を過ぎて行く。
幸せだった日々の名残が必ずズキリと胸を刺す。
幼い頃から本当に
ずっと笑いあえる時間が愛しくて 甘えられる僅かな時間が恋しくて
消えないように 終わらないようにと不安で怯えて生きてきた。
逆にそれが
素直に甘えれない子供にしてしまったのだけど・・・
家に戻っても 両親と顔合わせることが無いよう注意をはらう。
顔を合わせたら
お互い気分を悪くするようなやり取りしか出来ないからだ。
私が家に入った時幸い誰もいなかった。
玄関で迎えてくれたのはまるで家ではなく、
倉庫を彷彿とさせる様な引っ散らかった惨状で
山積みにされた洗剤三箱・・・が
何だか虚しく佇んでいた。
相変わらず我が家の母は
家事より仕事を優先したままであるらしい。
ーー
かつての自室で私物を纏めていると 下で鍵の音がした。
弟だったらまた当たり散らしてしまいそうで、荷物よりも即帰ろうと思った。が、
暫くして聞こえた声から戻ってきたのは妹だと知る。
「戻ってきてたんだ・・・」
妹の第一声はこれだった。
「私物をとりにきた。」と
用件だけを伝えて、即帰る。と言い加えると
「戻って来ないの?」と問われた。
帰ってこないのか・・・と。
妹自身も既に去年家を出て行ったので余り言えた方ではないのだが
それでも心配しての事だというのは痛いほど解った。
「戻らないよ。私 嫌われてるから・・・家にいたら邪魔だもん。」
正直言葉に詰まった。
けれどもすぐにたて繕って素っ気なく言い放つ。
正確には 「戻れないから・・・」だ。
母が私を拒んだり 当たり散らす対象としている場所に戻れば
私だって平気じゃない。
ーー
何度この家に来てから拒食や不眠に陥ったか解らない
自殺したくなるまで精神を病んだほどだ。
母を本気で殺そうと思って刃物を持ったが最後
それを抑えるのに自傷までした場所に
何も変わらない所か悪化した状態じゃ家になんか戻れない。
母は 私や妹に捌け口や逃げ道を作って
やり切れなさや不満を全てぶつけてくる。
家事は押しつけ 酒を煽って 自分が子供の時のグチまで持ってきて・・・
僻んで 妬んで 罵って 批判して・・・それを指摘すれば
ゴミやらなんやら投げつけてくるし、引っ叩く
挙げ句無理矢理外に放り出される。
三人姉弟でそれ程までやられたのは同じ女である妹と私だけで
時折止めに入った父が要らぬ被害を被っていたり・・・
それもあって私は此処に居られないのだ。
戻りたくても、
父や弟まで巻き込んでぶっ壊れるのは時間の問題。
私か母か・・・両方か・・・いずれにしても必ず気狂いを起こす。
なら 共倒れは御免だ。
まだ弟が家から出れないでいるのに
成人前から親子喧嘩で離婚だ家庭崩壊だなんて洒落にならない。
せいぜい一人くらいまともに育てて欲しいもんだ。
ーー
「私 嫌われてるから・・・」その言葉に
「誰もそんな事言ってない・・・」と妹は言う。
後々姉である私の病気 障害を事実と知った妹は、
去年いきなり帰ってこなくなって連絡もつかなくなった私を心配したのだろう。
かつての自分も含め、
周囲の理解も無いまま 周りに合わせようと無理を続けて
音信不通ともなれば 気にならない筈もない。
寧ろ自分から少しづつ、
今まで理解出来なかった分少しでも・・・と
家族の中で居場所を作ろうと動いてくれた本人からすれば
自分を責めたかもしれない。
だから私も そうやって動いてくれた妹が心配だったし、
別に理解なんかなくても 生意気であっても根は真面目な妹だから
あまり根詰めなければ・・・という心配は昔からあった。
弟も可愛げのある・・・とは間違っても言えないが、
それでも口数が減って 無表情になって 周囲との関係をどこか面倒くさそうにしている辺りが昔と一変し過ぎていて不安でもある。
母親の事で一番責任を感じて辛い思いでいるであろう父も・・・
自分の「父親」という立場上
守れないまま家を出てしまった娘二人と
止めきれなかった母の分自分を責めて悔いているかもしれない。
問題は母だ。
距離を置かなければ母らしく出来ない事も含め
いい加減自分自身と向き合って欲しい。
いくら親子間で傷ついたとはいえ、
自分が似たり寄ったりになっていたら何も変わらない。
それが嫌で家を出たなら、視点を変えればすぐに気づけるモノなのに
痛くて 辛くて 耐えられないからと
目を背けたまま 未だ逃げているのだろうか?
変わる事無い「過去」に・・・
「今どこにいんの?」
「葛飾。・・・の寮」
ちゃんと生活出来てるかを聞かれたのに気づいて
取って付けた様に言い加える。
(そういうお前は?)
私も妹に聞きたかった。が、多分
炊事含め家事全般先々覚えてしまったくらいだ。
生活能力の高さ社会的な適応性なら既に認めているし、
苦労してるとすれば仕事以外は特に無いのだろう・・・
一つしか歳の差も違わないのに この出来の良い妹は
私以上に周りを心配できる余裕も若干持ち合わせてはいるのだろう。
だから敢えて聞き役にまわって答える。
もう一つは本心を露わにしたら泣きそうだから・・・
辛い。と言えばかえって 父も妹も自分を責めそうだから。
「もう・・・帰ってこないの?」
「帰らないよ。私物とりに来るだけだって。
嫌われたしな。」
ー母さんに。
「だから戻らないって。 死んでも来んなって言い切られたんだぜ?
帰れないだろ;すごくね?ある意味・・・
仮にも自分で産んどいてそこまで言うかねー・・・?」
「まあ;そういう人だからね;
あ・・・先私出るから!鍵よろしくね♪」
「Σげ・・・(早っ;)
ちっ・・・;解ったよ;(面倒;」
二人で家の外に出て鍵を閉めて振り向けば
妹の姿はなかった。
扉から出る前 颯爽と横切ってった妹に私も沢山話したかった けど、
きっとアイツならまたいつか話せるから。
そんな楽しみだけを僅かに・・・
家に残る私物と手に持った鍵に託して
ポケットの携帯を握った。
あとは 此処が笑顔で集える場所になることを
やっぱり寂しいけど祈ってる。
そして 絶対
母さんを言葉で 考え方で負かしてやる!
今のままじゃ 私は娘として 姉として 人として絶対貴方を許せない!
飛び火しないよう弟が自立したら
絶対アンタを叩きに行く!
ババァになってもちゃんと気づくまで 向き合うまで
嫌って程 いたぶってやる!
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sentfrom W-ZERO3
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