- 名前
- 七瀬カイ
- 性別
- ♀
- 年齢
- 39歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- てんかんにアスペルガーって障害まで引っ付いて 母との離縁に乖離まで;? どっからどこ...
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記憶(ファントム・ペイン)
2009年11月01日 14:00
-・・・ 一人でも寂しくはなかった。
あの頃は自分以外の他人より、
先の見えない朧気な夢に夢中で、
幻想の世界を魚の様に漂う。
そんな脆弱で儚い夢は確かに私にとって希望だった。
その小さな光を一つ 一つ大切に
自分の中に留めるように
水であれば全身がふやけてクシャクシャになるほど
その世界に浮いていた。
不自由ではなかった。
悲しくもなかった。
私にとってそれは心癒える僅かな楽しみ。
今はそれすら失って、
寝ても醒めてもこの心が行き着く先は闇ばかり。
悲しいのなら、寂しいのなら・・・
この目が何を映していても、心が何を思っても、
身体が起きていようといまいと
夢も現も変わりない。
それなら私は常に眠り続けていると相違ない。
何もない空間に誰かを呼んだ。
けれども伸ばした手が掴むは虚無。
空に咲く花のように伸びた手は誰にも触れず、
叫ぶような声だけが空気に溶けるように 僅か残留した。 -・・・
「おかあさんっ・・・」
幼い子供の叫びに近い声。
その子供が呼び求める姿は到底見あたらないのだが、
子供は・・・・・・少女はその寂しさに耐えきれず、
自分が一番求めるぬくもりの対象として母を呼んだのだ。
けれどもその姿は遠く離れて消えてしまうようなそんな不安が胸にあって、孤独の中に置き去りにされるのを少女は何より怖れたのだ。
- そんな場面で必ず目が覚める。
呼んだ声も伸ばしたその手も応じてもらえる事は無く、泣きそうな思いで胸が潰れそうなままで。
別に育児放棄・・・はされていない。
と、言い切るには微妙だが、少なくとも捨てられたワケではない。
捨てられた。というよりは、
早々と「見捨てられた。」「見限られた。」に近い。
現実そういう児童福祉の施設に入れられたワケではないが、兎に角「居場所」が無かった。と、いうだけで。
情緒不安定な姿を近くで見てきた分、
施設に入れて親子仲を切ってくれた方が、悲しむ事もなかっただろうと逆に自ら望んだほどだ。
叶うなら 殺してほしかった。
そしたら記憶に心にずっとお互いを刻み続けるでしょう?
それほどに狂おしく、愛おしい母だった。
それが憎しみの対象となるのも早かったけど。
眠れない・・・その理由がここにある。
自分の内潜む傷に 闇に
感覚として同じ様なモノが入り込んでくるからだ。
それが一々不要な過去を呼び戻す。
それこそ鬱陶しいくらいに。
何も告げずに理由もなく消えるモノなら悲しいだけで
痛いだけなら夢も現も変わらない。
とても朧気でいて綺麗な世界。
それを楽園と言うのなら、確かな足場の無い場所で地上を見下ろした途端私は堕ちたのだ。
目を醒ましてはいけなかった。
知るということが知れず罪なら、もうあの世界には帰れまい。
こんなにも見放された世界で、
生きながら罪に薄汚れて拭いきれない罰を背負い・・・
因果業縁様々に見えない糸(意図)に手繰られて、
その波に習い 流れのままに生きていく。
永久に帰れない故郷を夢見て
※作成途中に携帯が死んだ為180度変更して、結局終いにしました。本当はこれも、前のも続く話の所を考えていたのに・・・;(字数の関係上も/苦;)
「記憶」といっても走馬灯の様に逆走してるので「思い出」になりますね。
ファントムペインの方はフラッシュバック的な部分もあるのですが、そこまで内容的には痛くない。って感じで。
「失った記憶とそれに対する想い」とすれば正しいかも;
心理描写って難しい・・・;
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sentfrom W-ZERO3
このデジログへのコメント
七瀬さんの心の形、痛みの形が丁寧に描写されていて。
読み終わった後、しばらく考えてしまいました。
couchさん>ごめんなさい;!気づいたのが遅かったので;最近殆どメールチェックしてないので;(><。ノメまた日程があえば是非。
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