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JvR 変則トリオ

2005年12月28日 05:32

05年も詰まってきた22日イェッセ・ヴァン ルーラーがいつもとは違って、異種間対抗トリオとでもいうような興味深いコンサートアムステルダムジャズの殿堂ビムハウスで演奏した。

トリオメンバーは 弦三名

Jessevan Ruller (electricjazzguitar)
Eric Vaarzon Morel (flamencoguitar)
Ernst Reijseger (cello)

クラシックを修めてフリー、インプロヴィゼーション、現代音楽と創造的な分野を精力的に渉猟するチェリストエルンスト・ライゼガー、 ここ数年腕に技と作曲に自信と円熟味を見せてきた新伝統ジャズギターの凄腕、イェッセ。ヴァン ルーラー、それに、陰影を聴かせるフラメンコギターマエストロエリック・ファーゾン モレルと活動の場は違っても今までに何度も交流を深めてきた3名人が集って, 今回はJvRがこの座の頭となったトリオであるから聴き所はいくつもあると期待を持って雨の中を出かけた。

この組み合わせの焦点を想像すれば、音符を刻み素早い音を発するのであれば、マエストロフラメンコギターであるが、ジャズギターも遅れはとらないであろう。 弦から発する彩りの多様さであれば弓引きのチェロに軍配が上がるが、ジャズギターにはエフェクターフィルターがついていて効果的な音響で競うことができる。 ブロックコード変化の妙を単音との組み合わせで音の小宇宙を創ることにかけてはジャズギターの右にでるものはないもののチェロにしてもフラメンコギターにしてもそれぞれのコード奏法でジャズギターの肩口までのしてくる。

それぞれの楽器の特徴、持ち味を完全に熟知した奏者がそれぞれの領分の音楽を持ち寄ってセッションする場所に居合わせる喜びは会場を満席にした観客に共通のものである。

この日の聴衆はいつもとはかなり違った風でもある。 現代音楽クラシック畑の聴衆と思われるグループ、 フラメンコファンのグループに私が見知った雰囲気を持つジャズファンの高年齢層にJvRの30代前半中心のファンが加わったという様子なのだ。 演者のそれぞれがどこまで対話、交流を深めることが出来るか、というのが焦点になるに違いない。

第一セット、第二セットでそれぞれ6曲、それにアンコールと、9時を20分遅れて始まったこのセッションは間の20分の休憩を挟んで12時15分まで熱気を含んで進んだ。

それぞれの曲を持ち寄って、トリオあり、デュオ、ソロと見所の多い、気が抜けない熱を含んだ演奏であった。

チェロのソロではバッハ無伴奏曲を元にした変奏を弓の技術を駆使して熱演したし、電気ギターでは自分の掌中のものであるバラードを緩急自在に変奏を加えてため息をつかせる滑らかさをみせ、聴かせるフラメンコではスペインの風景、夜から日中の日陰の冷たさまで透明感と空間を現前させる、まさにライブならではの現代のクラシックとでもいうべき芸を堪能できた。

しかし、一番の見所はそれぞれが互いの分を尊重しあい協調しあって曲のソロのパートでは新たな展開をこころみる部分である。 ここでは軍配は日ごろフリー、インプロヴィゼーションを得意とするチェロにあがり、独奏では圧倒的に確固とした世界を示すフラメンコギターの形の強固さゆえの城壁の厚さとその間に位置するジャズギターの形の中の変幻自在を明確に見ることができるのである。

JvRのセッティングは従来のアンプに個人の名前をモデルにしたElferinkギターを使用して、前回のJOC定期演奏会における音の硬さからは脱して柔らかさが出てきたように聞こえるが、羽毛の刷毛で掃くような身の毛もよだつLevinの響きを恋しく思うものには決定的にLevinを過去のものと葬るという奏者の決定を自己の音への追及の開始への決意とみた。

尚、10月にJvRの意志でNYにおいてCirclesと同メンバーの録音を行い現在ミキシング途中であり、CrissCrossレーベルから2月に発売予定であると聞かされた。 そのときにはLevinでの録音であったかどうかは聞き漏らしたが、、、。

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