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霧の中を走る

2005年12月25日 06:29

夕食の後、ちょっとした用事で20kmほど離れた妹夫婦のところに車を走らせた。

町のはずれをぬけてバイパスに入るとあとは一直線で、間に信号が二つぐらいしかない、ライン川に沿って伸びている町並みを避けるように牧草地の中を旧街道に平行して作られた半高速道路とでもいう自動車専用道路である。 二年ほど前に開通してからは今までの狭い街道沿いのコースからやっと信号から開放され、皆、伸び伸びとするのか速度制限の100kmなど誰も守らない。 せいぜい80歳を越えた老人が運転する車ぐらいなものであろうか。 かえってそういうところで80kmぐらいで走られると追突しそうで危ないぐらいだ。 けれど、これは昼間の話で、夜間ははなはだ寂しい往来となる。

広々とした牧草地のなかを一直線に作られた道路だから昼間は見晴らしがいいし、空が大きい。けれど、夜であるから面白みも少なく、晴天であれば遠景の燈が見えたり月、星が輝くときには気持ちよく走れるものの普通は単調なドライブとなる。

この二週間ほど寒さが緩んで、日常さほど寒いとは感じない。 おとといアムステルダムに出かけ夜中に自転車で駅から帰って来たのだが、小雨が降っていたにもかかわらず手袋なしでも凌げたほどだ。 午前二時前でも近くの薬局電光掲示板に時間と温度が見えるのだけど、8度と出ていて暖かいなあと思ったように記憶する。 三週間ほど前には氷点のあたりを上下していたのが不思議なぐらいだ。

それで、今日の昼前には久しぶりに陽が射して青空も覗いた。 けれど、夕方には雨は降らないものの、又、鉛色の空にもどっていて、天のしみったれクリスマスプレゼントだったのだな、あの金色の光と薄いフェルメールの青い空は、と思ったものだ。

対向車もなく、前後にも車の影が見えない暗闇の中を遠景の燈を望みながら走っていて、急に霧に包まれた。 というより、車が霧の中に突入したというのが正確だろう。 10分ほど前にうちを出るときに車のフロントガラスの内側についた曇りを車内のヒーターで温めてファンの力で曇りを除いてでたところで、こんどは霧の曇りでまたもや視界が利かなくなったというわけだ。 車のライトが拡散して霧の粒が見えるようだし、霧にも濃淡があってゆっくり霧が揺れているように見えるし、霧のベールが車をなでて走り抜けていくようにも見える。

念のため速度を制限速度まで落として車線に注意するのだが、ここは勝手知ったる一直線、のろのろ運転まで落とす必要はない。 こういうときの反応は各自違うから前後に車がいなくて一安心である。 年を越してから2月ごろには濃霧となることがあるけれど、今はそれほどでもないのでこれはこのあたりの低地か水路の蒸気が霧となって漂っているのだろうと高をくくっていたけれど、ほとんど10km以上そんな具合だった。

用事を済ませて帰路同じところを反対側を走って帰るときには幾分霧は薄くなっていて、フロントガラス越しに上を見ると星が覗いていた。 オリオンカシオペアが丁度、進行方向斜め左に見えているのに地上は霧である。

春か秋の早朝、牧場に霧が出るとあちこちの牧草地にたたずむ乳牛たちの胴体がミルク色の霧の海の上に浮かんでいるように見えることがある。 ミルクの海に浮かぶ黒い袋とでも見えなくもない奇妙光景であるが、こういう風に車を運転したいものだとかねがね期待しているのだが、どうもそういう風にはなりそうにない。 車道は大抵少々牧草地のレベルより1m以上は上に作られているから期待するような楽しいことにはならないのだ。

こんな様子ではとてもクリスマス・イブドライブとは思えない。

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