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腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

2008年08月14日 20:22

僕はこの原作となる本谷有希を知らなかったのですが、有名かつ人気のある劇作家だそうです。
昔、駒場劇場を訪れてくる劇団夢の遊眠社のファンの人たちが、僕がそのころ住んできた大学寮を覗きこんでは「何これ?」「汚い」「人が住んでいるの」と言っているのを聞いてから小劇場きらいでして(小劇場ファンの方、すみません)、野田秀樹の劇も劇場で見たことはありません。
 それはさておき、この映画ですが、けっこういいです。
 無理な人物設定もいいですし、ハチャメチャな主人公が田舎で巻き起こす小事件も実に、見る人をぐいぐいと引きつけます。

 女優になりたいといって田舎を飛び出た澄伽(佐藤江梨子)は、両親の交通事故による死亡の訃報を聞いて帰郷します。彼女学生時代から女優志望だったものの才能はなく、自信だけは過剰にあり、それを面白おかしく漫画にした妹を今でも恨みに思っています。
 女優になるから仕送りしろとせまった父がしぶったとたんナイフを取り出して脅迫して、それをなだめた兄(血は繋がっていないのですが)の額を傷つけたなんてことも上京前にやらかしています。。
 さて、葬式が終わって、澄伽はまた兄に仕送りをするように迫りますが、兄も経済的にくるしいので、なかなか首をたてにふりません。一方、昔の恨みをはらすように妹 清深(佐津川愛美)を執拗いじめます。
 そこに東京から借金取りが現れて、澄伽は美人局みたいなことをかつての同級生学生時代も体を売っていたのです)に行ったり、邪魔な兄嫁(永作博美)の目の届かないところで、兄に肉体関係の復活を迫ったりと・・・・。
 この兄嫁役の永作博美はいつものようにいい味出してますが、それ以上に妹役の佐津川愛美がうまいです。最後の方にはドタバタになってしまうのですが、見た後にけっこうすがすがしいものが残り、あの滅茶苦茶な澄伽がかわいく思えてしまいます。
 なるほど、この劇だったら、面白いでしょうね。

このデジログへのコメント

  • ユウ 2008年08月15日 17:10

    その節は失礼をば。。。
    いえ嘘です。さすがに駒場時代は観てないですww

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