女子、ってやつは・・・

ヲトメさんに
台車の蹴飛ばし方を実演レクチュア
赤井小さな唇が
「なるほどー」
とささやく。

あれ？
と思うと、女性のいろいろな部位を
まぢまぢと見つめている。
自分の視線が気取られぬ位置にいるから、
なのだが、
夏が近づいたからでもないだろうけど、
股上の浅いパンツを履いた
短躯の女性は
パンティも、お尻も
結構人目にさらしてしまっているのだが、
あれってそもそも、
寒くないのか？
そして
気にならないのか？

露出が多いのは、清楚なｓくんのかみさんも
そうなのだが、
その多さをまったく気に留めないのは
帰国というか、アメリカ人の証しだなんて
勝手に決めていたのだが・・・

喫茶Kの前を通って駅
店の奥は相変わらずの暗さ
店先に、在りし日の佐伯氏の
映画ポスター
錆び、塗料もはげた赤いポストの
主の名にも
本名と、その芸名の記されており。

合掌


駅をすぎ、図書館へ向かうと
ガード下に、
この街ではぢめて入った蕎麦屋の灯り

そのあまりのみすぼらしさに驚き、
耐えかね
甲高く、鼻に抜ける
ため息のような
声を上げる

ぼくはなんという。

通り過ぎ
やがてもう一度振り返り

おんなのこは・・・。
おんなのこに・・・。
おんなのこって・・・。

いたずらな目をして
乳首を噛まれるような・・・
くすぐったくて
あまずっぱくて・・・

切ない声をあげることって
こんなに身体に
ひびくこと、なのか・・・