祇園祭（その１）

まだ６月になったばかりですが、私の心は忙しなくなっています。

懐かしい思い出と、仄かな郷愁が瞼に浮かんできて、落ち着かなくなります。



京都の夏は祇園祭からといわれ、京都の人たち、その中でも特に鉾町といわれる地域に住むあるいは勤めている人たちは、６月の声を聞くまでに、祇園祭の始まりを意識して、心が落ち着かないというか、年に一度の祭りにそわそわとすると言った方がよいかもしれません。

　県外の人に京都の人が必ず話すことに、
「７月１７日の山鉾巡行だけが祇園祭やおまへん。
　そんな簡単な祭りやおまへん。
　ずーっと長い長いお祭りでっさかい」と、

祇園祭は７月１日山鉾の各町で神事の打合せを行うとともに、長刀鉾町の関係者と稚児が八坂神社へ参拝をして神事の無事を祈ることからはじまり、７月３１日の八坂神社の疫神社で夏越祭まで、鉾立、神輿洗、山鉾巡行など４０以上の神事、参拝など、祭に関連する行事が行われ、祇園祭は１カ月にも及ぶ長大なお祭なのです。