39才主婦､満たされない想いの底…

彼女､長女で｡東京の下町､近所では評判の頭が良くて勉強が出来て､お人形さんのように可愛いい子だったみたい｡きっと､常に家族の熱い期待と周囲の羨望に満ちた眼差しに包まれていたんだろうね｡一流大学を卒業して､一流銀行に入社して､真面目な同級生と恋愛結婚｡さあ､次は赤ちゃんって!って､思うんだよね周囲は｡きっと､多分昔気質の下町の大工さんだったお父さんなどは､特にね｡まだなのかとか｡自分の妻が長女だっただけに､よく分かる｡義父の気持ちとかが､重くてね!面倒くさかった｡妻も､子宮内膜症とかあって､摘出手術しますか､その前につくりますかなんて場面があって｡どうしても､欲しがった｡ｷｬﾘｱﾀｲﾌﾟの女性だし､そこまで欲しがるとは思わなかった｡自分は､どっちでもよかったし｡子供の頃から､周囲に擦り込まれたおんなの役割意識､特に長子に対する厳しさで｡そこから､脱け出せなかったんだろうね｡彼女も多分そういうこと｡
で､彼女､既に十分以上の女性なんだけど｡子供がいないという致命的に欠けた部分を埋め合わせる何事かを成し遂げなければならない｡
で､自分は､自分の年齢からこの役者という世界に挑戦しても､必ず自分なりに成し遂げることは出来るって…