- 名前
- BB
- 性別
- ♀
- 年齢
- 44歳
- 住所
- 神奈川
- 自己紹介
- 特になし
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『恐怖と快感を同時に感じた事ある?』
2005年11月20日 06:06
ずっと前から思っていたの
女の人生っていうのは初めて男を知った日から始まるんだって
だから初めて“寝たい”って思った人と家を出たの
親から離れて男と暮らしてみたいって思っていたからこれはいいチャンスだと思ってすぐに跳び付いたの!
まぁ自由を求めてっていうより彼と寝たかったから
ところが出だしから躓いちゃった
あたしって運が悪いの
何をやっても始めから終わりまでいい事なし!
いつも貧乏クジばかり
ハエ捕り紙って知ってる?
ネバネバしてる あれがあたし
悪い物を惹きつける様に出来てる
他の人達の不幸を吸い取ってあげる掃除機みたいな存在
いっつも貧乏クジよ!
何故かする事、なす事失敗ばかり
全然ツイてない!
運がないのに理由なんて!リズム感がある人とない人が居る様なものよ!
え?最初の彼と最後まで?もちろん行ったわ!
あたしSEXが嫌いならこんな風になってない
だけど初めての時はちょっと苦労したわ
ガソリンスタンドのトイレだったから、ちょっとやりにくかったの
試してみた事ある?よくない!特に高速のは!
或る時、海に行けばきっといい出逢いがあると思ってヒッチハイクを思いついた
でもいいアイディアじゃなかった
当然よ!今まで一度だっていいアイディアが浮かんだ事ないんだから
いつだって同じ・・・
後先考えず、すぐのめり込んじゃう
それが欠点なの
運よく拾ってくれた人が居たからいいけれど、そうでなきゃ道路に跳び込んでいたかも!
心理学者で、あたしが余りにも憂鬱な顔をしてたもんだから、彼、必死で慰めてくれた
ところが彼が烈し過ぎて妊娠しちゃったかと思った
幸い盲腸だったの
コレだけはツイていたけれど、麻酔科の先生の時はツイていなかった
優しい人よ・・・
凄く情熱的で!世界の果てまでついて行きたいくらい!
実際はリモージュ止まりだった
笑っちゃう、そう、人って本気じゃなくても愛してるフリが出来るのよ
きっと安っぽいお芝居だったの
“コアントローみたいな君に酔った”って
酔いなんてアっと言う間に醒めてサッサと電話かけに行っちゃった
彼とはそれっきり・・・
なのにあたしったら彼がレストランの裏口から出て行ったとも知らずに閉店までずっと待ってた
店主が上に住んでたの
脂の臭いがしたけれど、彼の優しい手に負けた
優しい手にはツイその気になっちゃう
そして働き始めたわけ 彼の店の案内嬢として
まぁ、まずお客様を迎えるの
ニッコリ笑いながら 頭を使う仕事じゃないわ
でも知ってる?
笑顔って誤解されやすいし、リモージュってね、孤独な男が多いの
外見じゃ判らないけれど判事さんが教えてくれた
フランスで一番うつ病が多いんだって
判事さん? 案内嬢が原因で店が閉ざされた時知り合った人なの
彼もうつ病だった
どっちにしろこの関係も長くは持たなかった
十五分もね・・・
枕もテレビもカーテンもないホテルの部屋で
悪い人じゃなかったわ
あたしが泣きじゃくってるのを見てハンカチをくれて出ていった
これ以上何を望んでもムリかも!
きっと運命で決まっているのよ
楽しい人生を送る人もあたしみたいに裏切られてばかりの人も
約束なんか信じても何一つ成功しない
役に立ったり期待される事もない
幸せでも、もの凄く不幸でもないわ
なにか失くしたら不幸だろうけれど、失くすもの無い、ツキも無いし・・・
子供の頃、大人になるのが夢だった
出来るだけ早く
でも大人になったからって何が変わるの?
歳とるだけ・・・
あたしの将来って待合室にいる様な感じ
ベンチが置いてあって、隙間風が入ってくる様な
ガラスの向こう、沢山の人達が通り過ぎる
急ぎ足で・・・
そして電車とかタクシーに乗る
みんな行き場があって、待っている人がいる
あたしはそこに座って待ってる
何か起きるのを・・・
でも、待っている事にもう耐え切れなくなって自殺を試みたわ
名も無き巴里の橋で・・・
あたしにぴったりの死に場所でしょ
どうせあたしを心配してくれる人なんか居ないんだから!
でも、水が冷たそうで勇気が足りなくて・・・
そしたら横から声をかけてきた男がいたわ
四十過ぎのナイフ投げの芸人さん
“まだ使える電球を捨てるのか”って
こんな電球切れて使い物にならないのよ!
こっちは切羽詰っているのに、何も頼んでいないのに!
あたしは、生まれてからずっと辛い思いばかりしているの!不幸のレッテルははがれないのよ!
“水に飛び込んでレッテルがはがれるか!!”って余計な口出しまでしてきたわ
挙句の果てには“助手を探してる、どうせ捨てる命だろ?ナイフ投げの的にならないか?”って
仕事とか何とか言っているけれど、橋の上で落ち込んでる女ならすぐ落とせると思ってモノにしようとしているんでしょ?
でも関係ない!あたしはそんなおとぎ話信じないわ!
そう思って水に飛び込んだの
そしたら、彼、自分も飛び込んであたしを助けてくれた
どうせわかっていたわ 失敗するって
自殺もまともに出来ないなんてあたしってとことんダメなんだわ
これは運のない証拠
そんな風に思っていたら、助けてくれたガボールが、またあたしを説得したわ
“一緒にツキを手にいれよう”と
なんだかガボールの熱い眼差しに圧倒されてモナコ、サンレモ、豪華客船でのショーについて行く事になっちゃった
リヨン駅で投げるナイフを見せて貰った
思っていたより凄いナイフ!人を殺せそう!誰だってあれを見たらびびるわ!
こんなの持っている人、天使には見えない!
デモンストレーションを地下駐車場でやったの
初めて的になった感想?
橋で死ぬ以上の恐怖だったわ!だって大きなナイフがあたしの体、擦れ擦れに突き刺さるのよ!
こんなの耐えられない!悪いけれどあたしはナイフの的になる素質ないわ!
でもガボールの口は悪いけれど何故か安心感を感じる言葉と熱い眼差しに負けた
結局また、男についていく事になっちゃったけれど、ガボールは、目に見える優しさとは違う、底知れぬ魅力の持ち主
彼にあたしの命預けてみようって思えたわ
でもね、一つ問題が・・・
あたし「NO」って言えないの
我慢しなきゃいけないのに・・・
男ってショーウインドゥの服と同じでつい試しちゃう!
禁煙が出来ないのと同じ感覚かしらね
相手はガボールじゃないのよ!道中で出会う男達
初めてのショーはモナコのオペラ座で
シーツのカーテンであたしを覆い隠してのナイフ投げ
この時、生まれて初めて「エクスタシー」を感じた!
あたしの体の側で感じるナイフが突き刺さる音、今までのどんなSEXとも比較にならない快感!
ガボールの眼光と、あたしの肢体に突き刺さる観客の熱い視線
あたしの命を預かっているガボールと、預けているあたし
ショーが大成功に終わった後、言葉には出来ない絆、愛、官能を体中で感じたわ
ガボールも一緒だと思う
ガボールがショーの前、あたしの事四葉のクローバーって言ってくれた
その時は生半可な気持ちで信じていたけれど、今は信じれる!
彼と一緒ならどこまででも行けると!
彼と快感を味わう度、あたしは強く美しい女になれるって!
女の人生は初めて心から愛し、信頼する男と結ばれた時始まるんだって!少なくともあたしはガボールと出逢ってそう確信したわ
「橋の上の娘」
出演 ヴァネッサ・パラディ ダニエル・オートゥイユ
監督 パトリス・ルコント
アデルになったつもりでアデルの心境と共にストーリーの中盤まで書いてみました・・・
この作品ご覧になられた方で、お気を悪くされたらごめんなさい(笑)
「くちづけひとつ かわさないふたりの 濃密な愛の時間」
モノクロームの映像に、ジャズが流れ、パリ、モナコ、サンレモ、ギリシャ、イスタンブール
そしてマリアンヌ・フェイスフルの儚い曲の中行われるナイフ投げ
アデル役のヴァネッサ・パラディが柳腰を振わせてナイフを受けるシーンはメロメロになってしまいそうなまでに刹那的です
突き刺さるナイフは、私の感覚にも突き刺さりました
アデルとガボールのラヴシーンは一切ないんですけれど、ここまで官能的に熱くなれる作品は初めてでした!!
なんで二人の手が触れただけで、あんなに官能的なんでしょう・・・
「命」で繋がっている二人の絆、それはSEXより、明らかに強く、切なく、そしてかけがえのないものだと思いました
でもそれは、滅多に起こり得ない、だから夢のようなおとぎ話なんです
ただ、こんなおとぎ話に浸れる自分が好きだったりします(笑)
私は本当に極上の愛と官能の映画だと思います
このウラログへのコメント
SEXより、明らかに強く、切なく、そしてかけがえのない そんな手の触れ合い。官能的です。良い感性だね
極上の愛と官能の映画、機会が有れば見てみたいです☆-(^‥^=)~にこっ!
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