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2010年SEXとマジックマッシュルームの旅

2010年05月21日 03:07

2010年SEXとマジックマッシュルームの旅

人は死んだらどこにいくの?





飾り立てた夢の街 TOKYO

新宿 歌舞伎町違法に暮らす 異国の兄妹の愛と性と生の物語





オスカー(ナサニエル・ブラウン)は 

すっかりこの街の悪に飲み込まれている

日々ドラッグに溺れ 

ジャンキー仲間の紹介で 

ディーラーをして金を稼ぎ 

最愛の妹リンダ(パス・デ・ラ・ウエルタ)を日本に呼び寄せた

しかし 

リンダも 

夜の街で知り合った男マリオ(丹野雅仁)に誘われてストリップクラブポールダンサーとして働くようになり 

マリオ肉体関係を持つようになる

或る日 

警察に追われたオスカーは 

銃で撃たれてしまう

オスカーの意識は次第に薄れ

魂が肉体から離脱

かつてない陶酔を感じながら 

めくるめくる光に導かれるようにして空中を浮遊し始める





エンター・ザ・ボイド』(2009年フランス映画
監督:ギャスパー・ノエ
音響効果:トーマ・バンガルテル(ダフト・パンク
出演:ナサニエル・ブラウン パス・デ・ラ・ウエルタ シリル・ロイ サラ・ストックブリッジ
https://www.youtube.com/watch?v=4ITHVZiOadM

毎度 毎度 挑発的な映画を作るギャスパー・ノエの最新作

『カルネ』と『カノン』では 

どこか近親相姦的な匂いを漂わせる 

娘に異様に執着した男の愛を描き

アレックス』では

イタリア宝石モニカ・ベルッチ

9分間にも及ぶレイプシーンで“破壊”を描いた





このヒトのえーが観ると

これまたクセのあるタランティーノが物凄くまともに思えてきます





そんなギャスパー・ノエの目に映るTOKYO

尋常であるワケがありません





撃たれたオスカーの魂は 

夜の繁華街

遊園地

東京タワー

どぎついネオンシャワーが降り注ぐ

天国のようなTOKYOで

過去と未来を行き来し

生き残った人間達の営為を覗きます

オスカーに意志や思考は無く

あとは観客が感じるまま進みそれが延々2時間続くのです。。。





まるでトランス状態

疲れているのか

興奮しているのか

心もカラダも逝っちゃっている時に見たTOKYO

このように見えた事アタクシあります。。。

この見え方 まんざらウソではないとアタクシは思います 





究極の愛と快楽を求めるオスカー孤独な魂は

浮遊しながら妹リンダとマリオ 

ラブホテルの部屋から部屋を覗いて回り

空高く上っていく。。。


これがまた驚異の映像!!

手持ちカメラ予算えーがとはまったく違う

カメラがそのままオスカーの目線になっていて

生前 オスカーが発する声も骨伝導のように

くぐもった声で聞こえ

鏡に正面に向かい合っても斜めからカメラが映らないように撮るのではなく

合成処理してるという徹底ぶり!!

幽体離脱

空高く上がっていくアングルって一体全体どうやって撮ったのでしょう??





何やら観ているアタクシは完全に一緒にトリップしていました(笑)





そして

少しずつ

何故自分が死ぬハメになったのかが解ってゆくのを感じるんです





魂に心があるのか

はたまた魂が心そのものなのかはわからないけれど

オスカーの心には常に幼い頃にリンダと交わした約束があり

「ずっと一緒にいようね」

この約束をオスカーの魂は果たすべく行動に移します





生前

ジャンキー仲間のアレックス(シリル・ロイ)はオスカー

チベット死者の書」をネタ本に

魂は

河の流れのように途絶えることがない

魂はまた子宮に宿るんだという

そう

「死こそ究極のトリップである」

という持論をまくし立てるのですが

チベット死者の書」って読んだことないけれど

輪廻転生論があるなら 

こういう状態なんだろう

というアタクシの死想感とかなり近いことに驚きました

アタクシは宗教的な神や仏は信じてはいないけれど

死んで肉体が滅んでも

魂はみんなそれぞれ行くべきところにいくんだと 

ずっと思っているんです





「ずっと一緒にいようね」

魂になって

究極のトリップの果てが

リンダへの愛を成熟させる事であり

その場所が「LOVEHOTEL」だった事に

アタクシは最後 

心が震えました





性は本当に素晴らしい

正に神がかりな行いです

そんな事を 自分がメイクラヴしている事以外で

えーがで 感じてしまいました



















P.S.

今回のギャスパー・ノエ作品にも

超汚い便器や

中絶手術で取り出された胎児など

感受性をキズつける恐れのある映像が所々出てきます

一瞬は満たされる気がするセックスに不潔感 

嫌悪感を持ってる人

性欲拒絶派の人などは

凄まじい虚無感に襲われると思います

デートには決して向きませんが個人的にこの驚異の映像はえーが館で観ることをお勧めいたしますワ☆

しかし

歌舞伎町で上映しているっていうのは偶然!?

ちなみに3Dえーがではありません

驚異の映像の一部 オープニングです↓
https://www.youtube.com/watch?v=tPxgi-PiNFE&NR=1
コレ見て あぁ。。。ノエ的だなぁ。。。とニンマリしたアタクシです

このウラログへのコメント

  • tarashi 2010年05月23日 16:20

    一緒に見に行った友人の友人がこの映画の撮影クルーの一員で、「ギャスパーは天才だ」と感心したそうです。

  • KAZU1 2010年05月25日 18:26

    愛の行き着くところはいつも死なのだと、ワーグナーのオペラは語ります。トリスタンとイゾルデ。お久~

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