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秋山風月清

2024年09月22日 05:09

秋山風月清

本日の清英の書作品は

秋山風月清

書き下し|
秋しゅう山ざん風ふう月げつ清きよし

出典|
杜甫『全唐詩』巻231

 秋の山は風も月も清らかに澄み渡っている。原文は「笛吹」から始まる七言連詩。笛がきれいに響き渡るのを聞くと、秋の山々に吹く風も山に掛かる月も清らかに澄み切っていることが見て取れる……とでも訳せましょうか。

原文|
吹笛秋山風月淸 誰家功作斷腸聲
風飄律呂相和切 月傍關山幾処明
胡騎中宵堪北走 武陵一曲想南征
故園楊柳今揺落 何得愁中卻盡生

笛ふえを吹ふく 秋しゅう山ざん 風ふう月げつの清きよきに
誰た家れか巧たくみに作なす 断だん腸ちょうの声こえ
風かぜは律りつ呂りょを飄ひるがえして相あい和わすること切せつに
月げつは関かん山ざんに傍そうて幾いく処しょか明あきらかなる
胡こ騎き 中ちゅう宵しょう 北ほく走そうするに堪たえたり
武ぶ陵りょうの一いっ曲きょく 南なん制せいを想おもう
故こ園えんの楊よう柳りゅう 今いま揺よう落らくす
何なんぞ愁しゅう中ちゅうに卻かえって尽ことごとく生しょうずるを得えし


 有名な禅語で、ちょくちょく見る掛軸ですね。
 原典漢詩だったのは知らなかったですが、杜甫の詩だと言われれば、あぁ!と思い至る人も多いかと。私も、「笛吹」で思い出した次第です(笑)

 この詩は物悲しい笛の音が郷愁の念を思い起こさせて郷里の思い出である柳を語って聞かせるという内容です。

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