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孤独の淵から(6)

2022年11月29日 19:54

前回からの続き

大学1年生で初めて彼女(Kちゃん)ができ、ウキウキ楽しい気分になったのも束の間、彼女としての現実のKちゃんを受け入れられず、心の底での抵抗を感じたことに驚き、僕は立ちすくんでしまった。
そんな僕に愛想をつかし、Kちゃんは去っていった。

自分自身の不甲斐なさと失恋の悲しみに打ちひしがれた僕は、かなり激しく落ち込んでしまい、それからしばらくは、男友達とだべって、ぐだぐだとすごしていた。
その時、自分の心の内側を探ろうとして覗き込んでみても、深く暗い闇が横たわっているだけだった。それは、自分の奥底にあって、ふとした隙に足を取られて引き摺り込まれてしまうような、得体の知れない闇だった。

しばらく落ち込んだ状態が続いたが、半年後くらいだったか、何か変化のきっかけを掴みたいと思っていたところへ、ふと、駅で配っていたチラシを受け取り、眺めてみた。

ひまわり
知的障害のある子どもと遊ぶボランティア募集

チラシを渡してきた人を見ると、40代か50代の男女2人で、人懐こそうな笑顔をたたえていた。

その時、僕は、何か自分を変えるきっかけになるかもしれない、と、ひまわり会に行ってみることにしたのだ。

それが、その後の僕の人生を変える、大きな出会いになるのだった。

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