- 名前
- シュージ☆
- 性別
- ♂
- 年齢
- 54歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- まずはログを読んでみてください 今は続きもののお話を書いています。 あと数回で完結予...
JavaScriptを有効にすると、デジカフェをより快適にご利用できます。
ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからご利用ください。
孤独の淵から(5)
2022年11月26日 23:12
前回からの続き
家庭での居場所がない中、中学と高校は部活に励み、友達づきあいはほとんどなく、無難にすごした。
今思い返せば、両親が僕の部活の試合を見にきてくれたことはなかったような、、、
前回書いたように、大学受験は1人で望み、かなり頑張って第一志望に合格できた。
それは、高校の部活を3年の夏まで続け、第一志望に受かったことは、僕にとってかなりの自信になった。
意気込み高く望んだ大学生活では、いろんなタイプの学生と知り合い、アルバイトも始めて自分のお金も増えて、僕は、どんどんと世界を広げていった。
それまでの窮屈な世界からジャンプして、自由を手に入れたような感覚だった。
しかし、やはりこれまでの経験不足から人付き合いでつまづくこともあり、あちこちぶつかりながらフラフラと飛んでいたような感じだった。
そんな中、初めての彼女ができた。
同級生の、それまで触れ合ったことのない、都会的な雰囲気の子だった。
デートもして、手を繋いだり、肩も抱いて、バレンタインチョコや誕生日プレゼントももらった。
楽しかったし、幸せだった。
でも、
何かが心に引っかかっていた。
彼女を受け止めきれないような、
自分を彼女に預けられないような、、、
デート終わりのある日の夕暮れ、公園を2人で歩いていて、ふと、彼女がこちらを見て、軽く目を閉じた。
あ、これは、キスの場面か、、、
しかし、僕はそれ以上身体が動かなかった。心は閉ざされてしまっていた。
数秒後、彼女は悲しげにうなだれ、僕に背中を見せた。
それから少しして、僕たちは別れた。
「あなたは自分のことで精一杯なのね」
最後に彼女にこう言われたような気がする。
このウラログへのコメント
コメントを書く