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孤独の淵から(2)

2022年11月22日 21:36

前回からの続き

孤独の中で、薄暗い家の中で1人、うたた寝をしていた男の子=僕の幼稚園生時代。

おそらく、3歳か4歳だったろう。
3つ上に兄がいるから、兄が小学校に入学したところで、僕が幼稚園に行くことになったのだと思う。

この話をすると、ほとんどの人は信じてもらえないし、自分で振り返ってもかわいそうだなぁと思う。

朝、幼稚園に行く時には、家の前に幼稚園バスが止まって、母親に見送られてバスに乗り、幼稚園で半日過ごす。

家に帰る時は、幼稚園バスが家の前に止まり、家族が誰もお迎え来なくてもバスを降ろされ、さようなら。

そこからは、家に家族がいなければ、3歳か4歳の子ども1人になるのだ。


その時、僕の家族は、父親は仕事、兄は小学校、そして母は家の近所の小さな工場でパートの仕事をしていた。

幼稚園から帰り、少しでも母親の近くにいたかったその頃の僕は、
家から母親が働いている工場まで、三輪車をこいで行き、工場の広くない駐車場を三輪車に乗ってクルクル回っていたのだ。

母を求めて、母のパート先の駐車場で、三輪車に乗ってクルクル回る、幼稚園児の僕。クルクルクルクル、、、

そんなことをしていても母親工場から出ては来ない。

疲れた僕は、また、三輪車をこいで、誰もいない家に帰ったのだった。

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