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松田優作と石原裕次郎(国際放映砧撮影所篇)

2015年02月23日 22:34

松田優作と石原裕次郎(国際放映砧撮影所篇)

中学の時、国際放映砧撮影所に見学しに行ったことがある。
裕次郎と対面!

写真は『FRINGE』 SEASON 3 より

私の中学生の時の部活は「釣り同好会」だった。ちょうど、漫画釣りキチ三平』が人気の頃で、ちょっとした釣りブームだった。

ただ、同好会は正式な部活動には入らない。本来は文化系スポーツ系一つずつだが、同級生の呼び掛けに応じて「映画研究会」を同好会として申請すると、その活動として『太陽にほえろ』の撮影現場に見学に行ってきたのだ。

ゴリさんがドアを開けて入ってくる。
ボス!」

「ハイッ。カットォ!」

ゴリさん役の竜雷太がスタッフと一言二言、言葉を交わすと部屋の外に姿を消した。

「ハイッ、ヨォ~ッィ、ッタァ~ッ!」

ゴリさんがドアを開けて入ってくる。
ボス!」

「カァ~ッ!」


一通り撮影所内も見学して外に出ると、石原裕次郎ロケバスが停まっていた。中で石原裕次郎竜雷太が休んでいる。

裕福な同級生達は8ミリカメラやらなんやら用意しだした。必然的に、何も持たない私がインタビュアになる。

お二人とも気さくにサインをしてくれながら、インタビュに応じてくれた。

実は、石原裕次郎は片耳が聞こえない。その時は私も知らず、全く気が付かなかった。

何を訊くかは、インタビュアの特権。私は、事件以来テレビ出演がない松田優作のことを訊ねた。

「ん~ッ…」
終始笑顔だった裕次郎の顔が初めて曇った。

「俺も、色々手を尽くしてはいるんだけどね…」
今までは見ていた私の顔から視線を外し、遠くを見るような眼で言葉を濁した。

「あ、そろそろ時間ですよ
竜雷太が助け船を出す。

「悪いね。これでお仕舞いだ。気をつけて帰るんだよ」
再び、こちらを向くと裕次郎はにこやかに微笑んだ。


松田優作が『大都会 ~闘いの日々~』のゲスト出演で久々にブラウン管に戻ってくるのは、それからしばらく経ってのことだった。

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