趣味は読書、思い出すこと

若い頃、今では誰も知らないだろう丸山健二という作家の、「メッセージ」という薄い文庫本を、何度も読んでいた時期があった。
今は、手元に無いが、行動する作家という感じで、アウトドアスポーツやオートバイや車の話なども出て来て、およそ書斎に籠って創作する作家とは、違っていた。
その一節に釣りを扱った文章があり、彼の住む田舎に、金を払って釣堀で釣りをする人がいるが、すぐそばには自然の雄大な川があるのに、何故だろうかというような事が書かれてあり、成る程と思った。
僕は高校の頃、短距離走の選手で、試合で、ある市の陸上競技場に行った。駅から、バスで10分くらいだったろうか。僕の入った高校は新設校で、その頃僕は二年生で、先輩は三年生しかおらず、やっと一、ニ、三年生が揃ったくらいだった。試合が終わって帰る時、県下でも強いと言われている高校の選手達が、駅までの道を歩いていたのだ。
僕らは、試合は試合、練習は練習と区別していたが、彼らは日常の中に、練習が組み込まれていたのだ。
もう一つ。スポーツジムで、体を鍛えたり、ジョギングをしたりする人は多い。体に良いことをやっていると思っているだろう。しかし、ジムまで乗用車で行って、ランニングマシーンで走ったり、ジョギングの後、ビールを飲んだり何だか矛盾しているような、納得のいかないような…。