２：第１話､積極的な嬢

｢待たせたね｣

俺は､助手席の扉を開けて､
嬢に微笑んだ｡

普通であれば､
俺が嬢を迎えに行って､
嬢を助手席に載せるのだが､

今日は嬢が､
淋しがりやの性格で､
落ち着かなくなっていたので､

嬢の気持ちを落ち着けるのに､
急遽遠征したため､
電車であった｡

この嬢とは､
ﾒｰﾙのやり取りし始めてから､
３ｶ月ほどすぎた頃､
嬢から誘ってきた｡

今日が２回目のﾃﾞｰﾄ｡

今回の主導権は､
運転手の嬢｡

夜景の綺麗な峠道に着き､
町の灯りを見ながら抱き締める｡

舌を絡めるお互いの愛を､
確かめあうような深いｷｽ｡

車が横を通り過ぎる度､
恥ずかしがって離れる嬢｡

『やっぱりここじゃぁ
落ち着かないね｡』
嬢はそういうと場所を代えるため､
俺を載せ車を飛ばす｡

浜辺近くの車が停められる場所に着く｡

停めた周囲にも､
数台の車が停まっている｡

近くを走るﾊﾞｲﾊﾟｽから､漏れる車の明かりで､
それらの車内がぼんやり映ると､

ｷｽをしたり､
ｼｰﾄが倒れていて､
抱き合って車が揺れていたり･･･

『ここってそういう車が
集まるんだよっ』
嬢はそう言うと､
俺に抱きついてきた｡

（つづく）