恵理香 21-記憶

もう一人の仲のいい友達に聞いてみた・・・
「母ちゃんに叩かれたことないよ」
そう言ってた

ご免なさい、もうしませんって何度謝っても、いつも叩かれた
母ちゃんって叩かないの？
そうなんだ、きっとうちだけなんだ
何でだろう？

あたしが嫌いだから？
何で嫌い？
あたしは、母ちゃん大好きなのに
叩かれても、好きなのに
何でだろう？


恵理香は家に帰ると直ぐに部屋に鍵を掛け、さっきの話を思い出していた。
そして、今着ている服を見、部屋を見回した。
そこには母から与えられた物は一つも無かった。
みんな義父が買ってくれた物だった。

「やっぱり、あたしのこと嫌いなんだ」
泪がいつまでも止まらなかった。
そう言えば、一番古い記憶がふっと甦った・・・
あたしが幾つの時だろう？

近くの橋の欄干に乗せてくれた時
母ちゃんの顔が怖かった
母ちゃんの顔がどんどん小さくなって行った
落とされた
ずっとあたしが、掴まり損ねたと思っていた
いいえ、そう思おうとしてた

あたしが居ない方がよかったんだ
生まれて来なければよかったんだ
他所の家に生まれれば良かったんだ

かあちゃん、何であたしが嫌い？
父ちゃんが死んで二人だけだったのに
父ちゃんが早く死んだから？


毎週、恵理香は母がパートに行く日曜、かならず義父に抱かれた。
高校に入るとフェラチオを教えられ、上にも乗せられた。
風呂場でもしょっちゅうだった。

高校の２年の時、好きだった同級生と義父以外で初めてセックスをする。
その頃には義父に仕込まれ、随分うまくなっていた。
その男の子にフェラチオをして遣ったが、ものの１０秒で口の中に出されてしまう。
雑誌でも聞いてもいたが、こんなに早いとは考えず驚いた。
すぐにコンドームを着け入れて来たが、それもあっと言う間。
嫌になって次は断わり、恋も冷めてしまった。


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