恵理香 20-早い

俺には２秒ほど意味が分からなかった。
「平気な日、なのか？」
「うん」
「いいのか？」

俺の目をじっと見る恵理香が頷く。
俺の今までの人生で一番嬉しい時だった。
泪が出て来たが、俺はそれを隠しもせず恵理香を見続けた。
「嬉しい」
「だったら早く入れてよ」


俺はこの一瞬の記憶を忘れない様に、今までで一番ゆっくりと入れて行った。
亀頭がヌルッと恵理香に入った。
そこで止めこの感触を頭に覚えさせた。

「奥まで入れなさいよ」
そう言う恵理香にはお構いなしに、ずっとそれを味わっていた。
そして、少しずつペニスを進める。
何分が経ったのか。
時間を掛けて奥までやっと届いた。

「あぁー、何ていいんだ・・・気持ちいい」
「だったらピル飲ませる事ね」
俺は耳がどうかしてしまったのかとさえ思った。
一生、女からこんな言葉は聞けないものだと考えていた。

「いいのか？」
「うん、いい」
「明日、病院に行こう」
「京介さんは、いつもすること早いね」

ああ、何でも早い
特に出すのが一番早い
「明日はダメか？」
「ううん、いこっ」
「ありがとう」
「なに言ってるんよ」

「こんな何の魅力も無い俺の所に来てくれた」
「思いやりがある」
「女にもてないこんな男の、こんなボロアパートに」
「賢いから」
「こうして生で入れさせてくれてる」
「面倒でしょ」
「中に出してもいいって」
「京介さんはいい男、だから」

「どこがいいもんか。毎日、セックスしか頭にない俺だぞ」
「いいんじゃない」


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