- 名前
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- 恋愛感情とかわかりません。 なので友人なら友人。セフレならセフレ、そういった区別して...
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文章の練習も兼ねて創作物
2010年01月14日 05:17
――物事は嘘の中に一握りの真実を入れると現実味を帯びる。
市民会館の裏手。山の中。木々の間を縫うように造られた簡素な石段を登っていくと廃墟のような建物がある。
コンクリートの塊。灰色一色で塗り固められた四階建てのそれは展望台だ。私の住む町にある数少ない娯楽施設の一つでもある。
娯楽と言っても双眼鏡などが置いてあるわけでもなく、ただ遠くの景色、言ってしまえば山の下に広がった茶畑と住宅地を眺めることができるだけだ。
この展望台には山中のサイクリングコースと前述した石段から行くことができる。特に市民会館側の利用は多い。市民会館での催し物のついでに散歩がてらやってくることもあれば、地元の小学生らが遠足としてくることも少なくない。
味気ない建物だがこのように人気があった。
しかしそれも十年前までの話である。
今では展望台の入り口には鍵が掛けられており、関係者以外立ち入り禁止の札が立てられている。
自殺があったのだ。
当時は出入り自由だったこともあり、深夜に肝試しと称して中学生や高校生らが利用することも少なからずあった。スプレーでの落書きなどが問題視されていたがそんなことは可愛いものであった。
現在では自殺とされている件の事件だが、当時は他殺だと考えられていたのである。というのも理由があった。自殺した子供は学校でいじめられていたのだ。
自殺のあったその日、偶然にも彼をいじめていたグループが展望台で遊んでいたのだ。彼らは何もなかった、誰とも会わなかったと口々に言っていたが、同じ時間同じ場所で子供は飛び降り自殺をしたのである。
しかし音も何も聞こえなかった、と彼らは語った。
嘘を言っているようには見えず、そして証拠不十分ということもあって彼らは無罪放免となり、この事件は自殺であるという形で終止符を打ったのだが、もう1つ謎が残っている。
腕が一本見当たらなかったのだ。
落下地点であろう、展望台脇に設置されたフェンスに腕をぶつけたらしく、腕が千切れてしまったらしい。フェンスから血痕が見つかったこともあってか、それは間違いないことのようだった。
しかしどこを探しても腕が見つからなかったそうだ。
あれから十年。いまだに見つかっていないという。
どうして今になって私がこの展望台に足を向けたのか、それは先ほど子供たちから聞いた噂話が理由である。その内容はこんなものであった。
夜の市民会館の窓を見てみると、白い手が「おいでおいで」と手招きをしている。
あぁ、怪談話としては良く出来ているものだ。おそらく件の事件をベースに作られた話なのだろう。だが彼が自殺したのは展望台であって市民会館ではない。なぜその彼が市民会館に現れるというのか。
私は帰り道、昔馴染みである市民会館の管理人さんにその話をした。私の話を聞いた管理人さんは納得するように頷いた。
「それならもう見つかったよ」
なんのことだろうと、私は尋ねた。
「○○くんの腕な。彼が忘れていった鞄の中にあったよ」
このウラログへのコメント
> あゆみさん
メールとかコメントは自由ですよ。
来るもの拒まずが私のスタイルですゆえ。
色々お気軽にw
> はるかさん
そこまでは考えていなかったですな。
まあ最後の急展開は飽きたというか、オチが思い浮かばなかったので言葉を濁した感じになっていますw
まだまだ練習必須ですな。
かばんの中に腕があった理由がサッパリわからないです~><
> ゆいさん
私も分かりません!
何も考えずに書くとオチがなくなるわけですが、こういう意味不明な方が怖い話としては楽しい気がします。想像できますしねw
怖いし、なんで鞄の中にあったのか。
こういう謎のまま終わる話って普通の怪談話より怖いです(;_;)
■瑞穂さん
なんであったんでしょうなぁ・・・。
リング、らせんでもそうですが怖い話は種明かしがないと楽しいですw
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