- 名前
- スイ
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- ♂
- 年齢
- 40歳
- 住所
- 埼玉
- 自己紹介
- 恋愛感情とかわかりません。 なので友人なら友人。セフレならセフレ、そういった区別して...
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徒然と即興で創作練習
2010年02月10日 05:45
人伝に聞いた話によれば、それは赤子の泣き声であったといふ。
築三十数年という古い団地を家としている住民たちは、夜な夜な壁越しに聞こえる男の怒声と赤子の泣き声に困っていた。
問題の家の主は気性が荒く、親切心の忠告に対し暴力を奮う様な、言ってしまえば人の親としてだけでなく社会人としても問題のある人物であった。住居を同じくする住民らにとっては眼の上のたんこぶでしかなかったが、しかし赤子の悲鳴にも似た声を無視できるはずもなく、男と住民らは度々良い争いをしていた。
そんなある日のことだ。
毎夜の如く聞こえていた声が聞こえない。
何かあったのではないか。住民らは不安に感じたが、翌日の夜にはまた怒声と泣き声が聞こえ、最悪の出来事が起きてないことに安堵した。
その日以来、男の姿をめっきりと見なくなった。
それでも怒声と泣き声は毎夜の如く壁越しから聞こえてくるのだ。
それからおよそ一週間後のこと。
泣き声は聞こえるものの、男の怒声は聞こえなくなっていた。ずっと姿を見せない男を不審に思った住民らは大家の許可を得て男の家に入って行った。部屋の中には首を吊った男と……
――首から上のない赤子の姿があった。
それから数日は大騒ぎだった。
近隣の人たちは根も葉もない噂話を広め、団地の住民らは救えなかった赤子の冥福を祈り、警察は事件の詳細と見つからない赤子の頭の行方を捜した。
しかし話は終わらない。
葬儀を終え、部屋の改装が終わり、新しい人が住むようになった。その翌日のことだ。その人は真面目な顔をして隣人らに文句を言った。
「赤ちゃんの泣き声がうるさくて眠れないんですよ」
その団地には赤子を育てている家は一軒もなかったというのに。
このウラログへのコメント
怖い~(~_~;)
赤ちゃんホラーと言えば…うめづかずおのたまみちゃん…また検索して(人'Д'o)ネッ
> 苺一恵さん
怖い検索は嫌ですなぁ……創作ものは怖くないんですが。
> masaさん
実際に、現在住んでいる団地の隣の隣で首つり自殺がありました。
……嘘と事実を混ぜるのが私の創作です。
赤子の泣き声? どうでしょうね(ぇ
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