変態"ピ"エロ

UPLINK Xでtrailer filmを見て、絶対観にいくことはないと思っていたけれど、なんとなく気にかかっていた映画のDVDが出たので購入しました。
　で「変態村」のブルーノ・メルル監督です。きっと変な映画だろうなあと思っていました。僕は暴力ものが嫌いなので、そんなのだったらどうしようと思っていたのですが、むしろコミカルな閉鎖空間での監禁劇です。
　皆から「ピ」と呼ばれるピエール・フォレはテレビの公開番組の前振りをやる芸人ですが、彼は明るい外見とは違い、内面では暗くすさんでいました。そんな時、彼は、皆が愛する歌手クロヴィス・コスタを誘拐し、ガムテープで手足や口を封じ、監禁するのです。ここからが、この映画のわけがわからないところです。本当に誘拐した男はクロヴィスなのか？ピエールが電話で取引をしているのはいったいどういうことか？とつぜん乱入する男はピエールの幻覚なのか？ベッドに横たわるピエールの父親は？
　彼が今も愛するリザと、「シラノ・ド・ベルジュラク」を演じることはできるのか？
　うーん、笑いがあるでなく、むしろしみじみとしたシーンなんかあったりして、しかもおしまいのステージは？？
　確かに、この映画は人を食った映画ではありますが、これが「驚愕のラストを迎える」なんてものではなく、「2007年カンヌ映画祭批評家週間のオープニングで、観客を混乱に陥れた」というほどのショッキングなものでもありません。芸術にも娯楽にも達していない監督のお遊びのような作品だと思います。