さみしくなるのはきまってゐる。。。か

馬車が行く　馬はぬれて黒い
ひとはくるまに立って行く
もうけっしてさびしくはない
なんべんさびしくないと云ったとこで
またさびしくなるのはきまってゐる
けれどもここはこれでいいのだ
すべてさびしさと悲傷とを焚いて
ひとは透明な軋道をすすむ
ラリックス　ラリックス　いよいよ青く
雲はますます縮れてひかり
わたくしはかっきりみちをまがる


　　　　　　　　－宮沢　賢治　春と修羅　小岩井農場　よりー

昨日の一遍に続く（途中はまだありますが）誌の言葉です。
「さみしくない」と話す分、口寒く、却ってソレを招いてしまうことはありますね。
（昨日・今日と詩集から抜粋してそのまま写してますが、ちゃんと引用だと表示しているので、著作権はクリアしてます。）

関係ないですが、昔、交換日記なるものがはやり、同性・異性と回す儀式がありました。その中で、クラスで少し浮いていた転校生と交換していたのですが、彼女の書く詩（俗にいうラブポエムです）が、片恋の一途さを凄く切々と表現していて、文を書くのが大好きだった私は「すごい！隠れた才能だ！」と感心して、絶賛したコメントを返したりしていたのですが、ある日書店で何気なくみた「チッチとサリー」という漫画内に、彼女の詩が一語一句きっかり同じで、掲載されているではないですか！驚いた後は、盗作にこれまで感嘆していた自分が情けなく、彼女に激しく抗議したところ、シレっと「え、いつ私自分の詩だと言ったっけ？」と言われ、もう話す気もなくなり、関係も消滅しました。
亜流はしょせん、にせもの。彼女に何が残ったんだろ。
さみしくなるのは　きまってゐるのに。。。。