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No.51.If・・・ ~風の捧げるもの~

2008年04月11日 09:53

知らぬ間に訪れるrain 無数の粒に洗われ
この傷にも この跡にも あわい色が彩やかに
紙一重のすれ違いに 残るものはなんだろう
もしもがあるならば もう一度戻りたい 君に会った時に帰りたい

何もかも捨てて あの風に流れようfryaway
あの暗がりの中で出会って 一目で恋に落ちて
不思議な気分さ Bad feeling
こんなものは 忘れたはずだったのに Lost in the one
この声を 枯れたこの歌を 届けよう 時を越えて
木々の生い茂る大地も 鳥が奏でる空と一緒に

もしもがあるならば もう一度戻りたい 君の笑顔の時に 再び現れよう
何もかも捨てて あの風に wind for aagain,too me
If please tell me If callinglover soul
If come to Thattime I couldlover soul
If please tell me If callinglover soul
If come to Thattime I could see it's me
今、君の為にこの心 捧げよう あの時と共に あの風に流されて
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
DETECTIVE M4.異常
事務所の玄関のドアは開け放たれていた。
一瞬鍵を閉めていかなかったのかと思ったがそれは間違いだった。
ドアノブが異様な形をして捻じ切られている。
壊すことは不可能ではないだろうが、それは異常だった。
造作に捻ったのか力を込めて捻ったのかは判別は出来ないが、脚元に歪んで転がっているものがかつてドアノブだったもの。根元からねじきられている。
どんな怪力だとしても普通の人間が出来る事ではない。
背筋に悪寒と戦慄が走った。俺はとめどない恐怖に心を支配されそうになった。

栞はどうしたんだ。
ふと我に返った俺は、暗がりでよく見えない事務所の中に一歩進んでみた。
今までいつも通り過ごしてきた事務所のはずなのに、今目の前にある事務所はとても恐ろしいもののように感じている。
三歩進んだところで俺はそれに気付いた。
一人の男が栞を小脇に抱えて佇んでいる。
暗がりで顔は見えないが、目だけがぎらついて血走っているのがわかる。
かなりの大男のようだ。
俺も背は高い方だが、その男は俺よりも頭一つぐらいは上をいってそうだ。
ふと男の視線がこっちをみた。
その瞳は狂気にみちている、そんな気がした。
栞を助けなければ、心のどこかでそんな声が聞こえた。

――――――――――――――――――

私はどうしたんだろう。
ふと視線を右にずらすと大男に抱えられている事に気付いた。彼からすれば私なんておもちゃのようなものなんだ。
意味不明な事を考えてしまった。
そうだ、部屋で本を読んでいたら事務所の方で不可思議金属音がして、恐かったけど見に行ってしまったんだ。
事務所に入ると一人の男の人が立っていて、その瞳に驚いて気を失ってしまったんだわ。
あの瞳はとても人間のものとは思えなかった。
そこまで思考してまた恐怖に支配されそうになっている自分に気付いた。
また意識を失ってしまいそうになるのを私は必死に堪えた。

ふとかすかに靴音が聞こえてくるのがわかった。駄目、三井さん逃げて、この大男は人の形をした異質のもの。来ちゃ駄目。
大声で逃げてと叫びたいけど、声がでない。
事務所の入り口に一人の男がたっているのがわかった。
廊下の電灯に照らされて顔ははっきりとわからなかったけど、三井さんである事は間違いない、お願い私に構わず逃げて。
なんで声が出ないの。私の声よお願いだから出てよ。
私は苛立ちと恐怖の狭間で必死に何かと戦っていた。
ふと三井さんがぶつぶつと何かを言っている。耳に意識を集中してもはっきりとは聞き取れなかった。
一瞬何かが光った様な気がした。
突然大男は片膝をついている。

何が起きたのか私にはまったくわからなかった。
突然大男は息を乱したようだ。
そうだ、ずっと前にもこんな事が有った気がする。
いつだったろうか、三井さんなのかそうじゃないのかわからないけど、私を助けようとして突然光って私を抱えた男が片膝をついて、息を乱して。
恐怖に屈した私はそこでまた意識を失ってしまった。

――――――――――――――――――

「ち、まだ意識があるのか。」
俺はつい愚痴ってしまった。
普通の人間であればとっくに意識を失っておかしくないはずなのに。
俺は奥の手の力で、奴の視界を奪い喉元に衝撃波の一撃を加えた。
栞に被害が及ばないようにするには手は限られる。
「さて、どうする。」
俺は一人呟いた。
突然大男は全速力で俺に向かってきた。
それと同時に右手を振り上げた。
まずい、あの怪力の一撃を喰らえばただではすまない。
俺は右側に飛びのくと同時に口走った。
「盾よ、我が力となりて守りたまえ」
予想通り縦に振り下ろした拳が当たらない事を悟ると右横にないで来た。
目の前に見えないフィールドをつくり間一髪直撃は避けたものの、勢いで俺はそのまま事務所の壁に叩きつけられた。
「ぐはっ。」
一瞬呼吸ができなくなり、意識が飛んだ。
「くそ、待て。」
目の前に奴は既にいなかった。栞を抱えたままなのに。
階段を走る音が遠くなってゆく。
若干ふらつく足取りで俺も奴の後を追った。

――――――――――――――――――

事務所の前の歩道まで辿り着いたものの、左へ行ったのか右に行ったのか全くわからなかった。
奴は一体何者なんだ。尋常ではない瞳、尋常ではない力、尋常ではない速度。人間なんて生易しいものではない。
まるで化け物だ。異常だ。とてもじゃないが現実的じゃない。夢ならはやく醒めて欲しい。
だが、これは紛れもない現実なんだ。栞を探さなければ。
打ち付けた背中に痛みが走るがそんなのに構っている余裕はない。
携帯が鳴っている、液晶には三井義彦の名前が表示されていた。

――――――――――――――――――

「遅かったな、龍人。栞さんは気を失っているだけだ、安心しろ。」
そこには倒れている先程の大男と、制服を着た青年。
栞は青年が俗に言うお姫様抱っこをしていた。
「はぁはぁ、この大男を倒しちまうとは義彦、あいかわらず腕っ節も異常だな。」
こいつは俺の従兄弟で三井義彦。栞の料理の師匠であり、腕っ節も異常な男。年齢とは反比例して冷静沈着な奴でもある。
「そうだな。」
あいかわらずこいつは素っ気無いな。

俺は乱れた息が落ち着いた所で「しかし、よくこんな人外の動きをする化け物を倒せたな。」
「確かに速くはあったが、動きが単調で先を読みやすかったからな。何て事はないさ。」
「そうか。確かにそうだが・・。」
動きを読めたとしてもやっぱりこいつの腕っ節は異常だな。
警察に連絡するつもりなら厄介事は御免だから、俺は帰るぞ。」
「あぁ、栞を助けてくれてありがとな。栞はお前に逢いたがっているぞ。そのうち事務所に遊びに来いよ。」
「あぁ、わかった。」
素っ気ない返事。
「龍人。」
「なんだ?」
「とりあえず、事務所まで戻ろう。栞をこのままいつまでも抱えているわけにもいかない。」
そう言って義彦は事務所の方へ歩き出した。
「待てよ。こいつはどうするんだ?それに事務所の扉はそいつに壊された。さすがに栞一人を事務所に置き去りにするわけにはいかないだろう。」
義彦は一瞬顔を曇らせたが俺の方に向き直った。
「しょうがない。漸次さんを呼んで事情を説明してくれ。不本意だが俺も付き合う。」
義彦の言う事に従うのもしゃくだが俺は漸に電話をして事情を説明した。
丁度近くにいるとの事ですぐに来てくれるとの事。
俺と義彦はそのままの状態で、大男が起きる事を警戒しながら待つ事にした。
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