居場所（私的10選 その6）

6.ゴルフ練習場


私とゴルフの出会いは24年前、42才の年であった

それまで私はゴルフなど眼中になかった
いや、むしろ軽んじていた
バブルの時など、1回ゴルフに行くのに5万円は
かかり、会社の交際費でしかできない「スポーツ
」だったからだ
（スポーツ好きの私はゴルフはブルジョワのお遊
びだと軽蔑していた）

バブルが弾け、ゴルフのプレイ代も下がっていっ
た　そんな折、仕事でお客様とゴルフをすること
になった
「野球の球が打てるのに、止まっている球が打て
ないわけがないでしょう」と甘く見ていた
結果は散々なものであった

こんな時、次の行動は二つに分かれる
一つは、二度としない
もう一つは、徹底的にやる
私は後者だった

当時はレッスン動画とかはなく
とにかく毎週、毎月発売されるゴルフ雑誌をすべ
て買い、独学で勉強し、練習をした

その結果、腕前はそこそこ上達したのだが
ここで思わぬことが起こった
ゴルフを軽蔑していた私がゴルフを尊敬するよう
になったのだ

始めた当時、ゴルフは少しでも遠くに球を飛ばす
ことがキーだと思っていたのだが、違っていた！

ゴルフはターゲットスポーツであり、目標に向か
っていかに少ない打数で上がるかを競うものだ
ということは、ボールをカップに入れるところか
ら逆算して、次打のグラフを選び、狙った方向に
ボールを打っていかなければならない

コース毎の特徴によって、クラブを選びボールを
落とす場所を考えるコースマネージメントが必要
なことも学んだ

何よりもマナーが大切なことを教えられた
自分一人が良ければいいという考えが真っ向から
否定される

まずはプレイファースト、どう動いたら速やかな
進行ができるか
同組の人が打ったボールの行方を確認し、ラフに
入ったら一緒に探す
グリーンについたボールの跡はフォークでなおす
他人がつけた跡であってもなおす
後続の方が気持ち良くプレイできることも考える

ゴルフは単に球を打つスポーツではなく
他者を尊重し、全体のことを考え、頭を使い、ス
キルを高める克己心が求められるものだった
すべてのことが自分磨きだったのである！

また、歳をとっても楽しめる生涯スポーツである
ことも魅力だと思う


おっと
居場所の話であることを忘れていた

今ではゴルフ練習場に来る回数も減った、平均月
一回位かな
始めた当初のようにしゃかりきにボールを打つこ
ともなく、自分のフォームを点検する程度にして
いる
自分の時間が増え、平日の午前中とかに来る
打席は空いており、自分のペースで練習できる

ゆっくり流れる時間の中で
ゴルフの神様に
すみませんでした
ありがとうございました
と心の中で語りかけながら