- 名前
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- 見た目細身の天然ってよくいわれます。でもけっこうしっかりしてます。自分的に。映画と読...
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「ぼくの家族と祖国の戦争」レビュー☆
2025年05月11日 00:53
ピルー・アスベック主演他。友達を守りたい、敵であっても―。1945年4月、デンマークの市民大学。学長ヤコブ(ピルー・アスベック)が、現地のドイツ軍司令官から思いがけない命令を下される。ドイツから押し寄せてくる大勢の難民を学校に受け入れろというのだ。想定をはるかに超えた500人以上の難民を体育館に収容したヤコブは、すぐさま重大な問題に直面する。それは多くの子供を含む難民が飢えに苦しみ、感染症の蔓延によって次々と命を落としていくという、あまりにも残酷な現実。難民の苦境を見かねたヤコブと妻のリス(カトリーヌ・グライス=ローゼンタール)は救いの手を差しのべるが、それは同胞たちから裏切り者の烙印を押されかねない振る舞いだった。そして12歳の息子(ラッセ・ピーター・ラーセン)もドイツ難民の女の子と交流を持ちつつあったが彼女は感染症にかかってしまう。友達を救うべきか、祖国に従うべきか、家族は決断を迫られる。第二次世界大戦末期の知られざる歴史の1ページ。戦時下の極限状況の中、自らの正義を貫こうとした家族の感動の物語。本国アカデミー5部門ノミネート。
10/10点!!憎しみの連鎖。どちらの気持ちも分かる辛い実話だった。戦時中、ナチスはドイツ国内の困窮にもナチス関係者にならない限り、手を差し伸べなかった印象があるが(クラウス・コルドンの「ベルリン三部作」)、国外へ逃れたドイツ難民の話は聞いたことがなかったので興味深かった。どちらにしろ、戦争は地獄だ。「歩み寄ることはできないのか?」と終盤、ヤコブは言う。歩み寄れるのは、手を差し伸べられるのは、家族を殺されなかった人だけなのかも知れない。命を前に国境も人種もなく、人は皆、平等なはずだし、家族を殺したのは軍人であって難民である一般人ではない。理屈では分かるけど、目の前にしたらやりきれない、抑えきれない感情が沸き上がるのだろう。それでも命は強い。憎しみの連鎖を勇気をもって乗り越えたセアン(ラッセ・ピーター・ラーセン)の言葉は大人のそれより遥かに純粋で強い。この一家は戦後を無事に生き抜くことが出来たのだろうか?実話にインスパイアされた物語で、実話そのものではないから分からないけれど、正しいことをした者が報われる世の中であってほしい。「ヒトラーの忘れもの」もそうだけど、人と人は歩み寄れるし、助け合える。その方が皆生きやすいはずなのに、一部の狂人の一存で世界は廻りがちだ。ロシアとウクライナも、ガザも、世界中の戦争が一刻も早く終わりますように。2024年公開。








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