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「夜明けの夫婦」レビュー☆

2024年08月31日 01:11

「夜明けの夫婦」レビュー☆

亜美、泉拓磨出演他。この国のホンネは、どこへ行ったんだろう。子供を作りたいのか作りたくないのか、作れないのか作らないのか―とある夫婦息子夫婦の二世帯住宅の家庭。どこにでもある、しかし極めてデリケートな問題。どこにでもあるが、実はこの国の最も重要な問題。この問題にしっかり取り組まなければならないのに、コロナ禍など他の問題が夫婦に押し寄せる。大胆でいて壮大なラストに向けて突き進む、18歳以上が楽しめる、純粋社会派深刻喜劇

4/10点!!またもや山内作品。ジャンルとしては苦コメディだそうですが、シニカルな笑いは全然なくて、でもどこかずれていて、切実さもある、リアルなのかな?不思議な作品でした。妊娠出産ってホルモンバランスの問題があるからなのか、周囲からのプレッシャーがあってもなくても、多くの女性が自分が生み出したプレッシャーに負けてしまって、人間関係まで壊れてしまうのはよく聞きます。世の中ではそのことに対し「気遣う」しか解決方法がないみたいに扱われてるけど、そんなプレッシャーの中で妊娠出産と向き合っても良いことはないし、きちんとカウンセリングなり、社会構造から変えていかなければ、少子化は止まらないと感じました。サラ(鄭亜美)の幸極薄キャラは嫁で同居してたらちょっと気になっちゃうと思うけど(爆)夫婦二人なら何の問題もなくずっと平和なのに、夫婦という最小コミュニティは社会という最大コミュニティと直結している。価値観ってやつも結婚するまでに散々確認し合っているはずなのに、蓋を開けてみたら数十年経ってからでも相手との価値観に違いに驚くことが何度も発生する。そんな時、私は「過去に何か見落としがあったのではないか?」と探ってしまうが、私たちの感情など待ってはくれない日々の生活、社会の中で、見落としを解決することが出来るのか?本作で描かれる夫婦は愛の言葉を発しない。家族だからこそ、愛の言葉だけで殆どの問題を乗り越えられる力になることもあるのに、追い詰められて視野が狭くなってしまっている。コロナ禍の袋小路の息苦しさとちょうど重なって描かれていて良かったです。いつものシニカルな山内作品が好きだけど、これはこれでしっかり問題を描けているのでR18だけど、学生の教材にしても良いのではないかな。2022年公開。

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