思わせぶりな新入社員37

僕の目の前にTちゃんのふっくらとした唇が、、完全に無防備な唇が！！甘い声で囁くように僕に何かをしゃべりかけてくる。でも、僕はかつてないほどのピンチ（自分で勝手にそう思い込んでいるだけだが）に陥っていて、Tちゃんの言葉が聞き取れない。
ワイシャツのボタンをすべて外され、Tちゃんの手がシャツから離れて、、次は、、
ゴクリと生つばを飲み込み、されるがままの僕。待ち合わせしていた時とは完全に別人になっていた。なんという小心者！しかしその小心者は、持ってるものすべてを使ってなんとか声を絞り出した。
「Tちゃん、、ホントに今日は、、忙しい、、から、、また、今度、、ネ、ね？お願い、、だよ、、」
我ながら情けない、、でもこれが僕の精一杯だった。

　　　つづく