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「哀れなるものたち」レビュー☆

2024年05月28日 01:12

「哀れなるものたち」レビュー☆

エマストーン主演他。自ら命を絶った不幸な若き女性ベラ(エマストーン)は、天才外科医ゴッドウィン(ウィレム・デフォー)の手によって、奇跡的に蘇生する。ゴッドウィンの庇護のもと日に日に回復するベラだったが、「世界を自分の目で見たい」という強い欲望に駆られ、放浪者の弁護士ダンカンマークラファロ)の誘惑で、ヨーロッパ横断の旅に出る。急速に、貪欲に世界を吸収していくベラは、やがて時代の偏見から解き放たれ、自分の力で真の自由と平等を見つけていく。そんな中、ある報せを受け取ったベラは帰郷を決意するのだが―。天才監督ヨルゴス・ランティモスエマストーンが誘う映画史上最も大胆で、空前絶後の“冒険”。第80回ヴェネチア国際映画祭獅子賞受賞、第96回アカデミー賞11部門ノミネート4部門受賞作。

6/10点!!ランティモスはいつも人間が愚かさに翻弄される姿をシニカルな笑いをもって描くが、今作は少し様相が違っている。ベラ以外の登場人物全員が、自身の凝り固まった考えやしがらみに囚われているからこそ、真っ新に生まれ変わり汚れることなく成長していくベラに強烈に惹かれ、自分のしがらみの世界に彼女を閉じ込めようと躍起になっている。いつものシニカルな笑いは控えめで、割と真面目に(ランティモスにしては)“女性の自由への解放”を描こうとしていると感じた。マークラファロが剥き出しの嫉妬でどんどん破滅していく感じとラスト光景はやっぱりランティモスで笑えたけど。いつものニヤニヤ笑いながら観る感じを想像していると、違うので戸惑う。意外と真面目に、人間社会を維持するあらゆるものに人々は囚われ、何を捨てられないか、ベラのように捨てられたなら、性の本能を貪る動物のようになってしまうのか、それともそれでも人間は学び、理知的に進化することが可能なのか、どんどん議題を突き付けられていく感じ。ちょっと疲れちゃうのでシニカルな笑いプリーズ。あとイギリス欧米と日本では“無垢”の描き方が全然違うなぁとも感じた。ここまでプッシュアップして小難しい仕上がりにするとアカデミーが振り向くのか(これまでのシニカルな方が好き)2024年公開。

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